思い出となったグロナウを後に
グロナウのホテル&レストラン・フリッツでは人情に接することができました。
ホテルの若旦那は朝食から夜のバー、部屋の対応まで1人でてんてこ舞いです。
部屋のテレビにリモコンがなかったりなんてことがあっても、言うとすごく恐縮
しそうなので言い出せなくなるくらい、とても優しくて親切な人でした。
チェックアウトの計算書はメモ用紙に手書き、しかも電卓が壊れていて合計が
違うので僕が足し算をすると、そのまま信じてクレジットのマシンに入力。も
ちろん部屋の様子を見に行くこともないという、人を信じる姿勢で最後まで接し
てもらいました。
バーに集まってくる人もみんな話しかけてくるし、それが片言でも会話になる。
遅くに食事をしようと思って行ったらもう料理人が帰っていて、僕は諦めると
言ったにも拘わらず、若旦那は料理人を呼び寄せようとしたり、おじいちゃん
たちはどこで食べられるかみんなで議論して行ってこいとドアまで開けてくれ
る。ピザを買って帰ってきて、レストランに持ち込んで食べて、それを若旦那
もよかったね、と迎えてくれる。
朝食を食べていても宿泊客が気軽に話しかけてきてくれて、しかも話題がドイ
ツのロックバンド、スコーピオンズのギタリストがこの地に来ていてセッショ
ンをしているのを見に来たなんて、いくつになっても青春しているようなおじ
さんで。
ドイツ人のどこが悪いか教えてくれよ、なんて聞かれて、どうして悪いところ
があると思うんだと応えたら、もっといい人間になりたいから、なんてすごい
ことを言ってくる若い人がいたりして。
やばい、このホテルにやられた、という場所でした。
かなり後ろ髪を引かれながら次なる目的地へ。ユトレヒトまでは約1時間30分の
距離です。途中で2分間の乗り換えというところがあるものの、前回時間に正確
なのがわかっていたので安心して乗ります。
ユトレヒトはオランダ第4の都市です。駅に直結したショッピングモールが
あります。到着するともうお昼過ぎ。野菜も食べたいのでドネルにしました。
右の串刺しにしてまだカッとしていない肉を見るのは初めてです。
これで約7ユーロ。ちょっと高め。でも一日に必要なカロリー数がありそうな
肉の量でした。
今回泊まるのは隣町のザイストです。ユトレヒトの駅からはバスで約30分。
道路の混雑具合を判定しながらバス停に到着する時間がモニターに出ています。
さらに車内や車外の様子もずっとカメラで撮影され、時々モニターに映されます。
そんなとき手を振るのは1人だけ乗っていた変な日本人だけ。
到着すると、ホテルは中央広場の目の前でした。となりは大きなスーパーです。
ユトレヒトやその周辺はとてもホテルが高くて、今回の旅で一番高い一泊69ユー
ロの宿なのですが、環境はとてもいいようです。
昨日まで泊まっていたホテルの広さは四分の一ぐらいですが、
とりあえず必要なものは揃っています。
ただ、石けんやシャンプーが入っているはずの丸い容器は空で、代わりに
パックのシャンプーが置いてありました。
ここに2泊。ガーナ戦には荷物を持って行き、そのままこの場所を離れる予定です。