川崎?名古屋
J1リーグ第19節、等々力、19時キックオフ。4対2、しかも前半3対2という乱打戦。名古屋が時折見せたオートマチックなサッカーは未来を感じさせた。現時点では継続できる時間が短く、相手が混乱させようとするとモノの見事にはまってしまう。でも、とても楽しみだ。川崎は前半の3得点がほぼ狙った形から。月曜に取材したセットプレーの練習が形になった。中村選手は「練習通りに出来たことが一番うれしかった」とのこと。中東遠征に選ばれるかどうかは「ないよ」と諦めていた。だがアウェイのデビューよりもホームの初見参の方がプレッシャーも少ないだろう。月曜の練習で全然飛べていなかった我那覇選手が見事な滞空時間のヘッド。昨日は練習後すぐにかえって休んだそうだ。「新潟の疲れって思ったよりありましたね」。特筆すべきは後半4点目を奪った際の、箕輪選手のカットイン。相手の股間を抜いて、狭いところのパスをジュニーニョに通した。箕輪選手の談話。「ヨンセンは自分がポジションを動かすと付いてくるのが分かったので、積極的に動いた。そうすることで守備も楽になる。抜いた場面も同じように流れて動いていた。マークに来た相手が一枚警告をもらっていたので、無理なことは出来ないだろうと思って勝負した。ヨンセンのことも、ドリブル突破のことも自分の判断です。今日はチーム全体の動きがよく、連動できた」。いつものように、ゆらり、と現れて口元でやや笑い、じっくりと相手の目を見て語ってました。谷口選手。「今日はジュニーニョに怒られなかった?」「いやぁ、今日も怒られっぱなしですよ」。今野選手も張り切っていたが出番がなくて残念。
サポーターについてのこと。後半30分、相手を疲れさせるために川崎が延々とボールを回していたら、なぜかところどころからヤジみたいな声が聞こえる。シュートをせかすような、負けているかのような雰囲気になってしまった。川崎が相手に触られないようボールをじっくり回し、名古屋がミスを虎視眈々と狙っているという、大人な場面。不用意に攻め込み、1点を失うと1点差まで詰め寄られ、相手に勢いを付けてしまう。だが、攻撃好きな川崎の観客はそんな渋い場面に慣れていないようだった。もっとも、試合後に知り合いのファンに聞いたが、みんなあまり意識していなかったとのこと。ただ、04年の等々力の山形戦で、同点でも昇格できるのに、同点に追いつかれた後、スタジアムは追加点を求めるような勢い込んだリズムに包まれて、選手も焦って結局大島選手のダイビングヘッドで負けたのだが、その時に比べると選手はスタジアムの声の波に過剰に反応しなくなった。