役立たないものを買わせたら天下一
公式会見の後は地下鉄で旧市街の、アジア最大と言われるチョルスー・バザールへ。
まずは地下鉄に乗ります。一度乗ると400スム(約27円)。どこまで行っても400スム。
これがインターコンチネンタルホテルの前の地下鉄の入り口。
ところが、ここから先はやたらと警官が多い。
地下鉄のホームには必ず2人以上いました。
ウズベキスタンは自由に写真を撮っていいわけではないので、
ここからは文字情報のみとなります。
2回の乗り換えは、看板のアイコンがよくできていたのでスムーズでした。
チョリスーに降りるとすぐに市場。どこからどこまでか分からないくらい
広い場所に、どこからどこまでか分からないくらいの露店が並んでいます。
テントの中をかき分けかき分け、おもしろそうなものを探します。
あります、あります、バッタモノ。プーマ、アディダス、ナイキ、リーボック、
さらにはアルマーニまでどう考えても本物じゃない。ラインはアディダス、
靴底にはプーマという、ダスラー兄弟にはうれしい品物もありました。
タシケントはDaewooの車がとてもたくさん走っていて韓国経済とのつながり
が強いようですが、なぜかこの市場をウロウロしていると中国語のような言葉
で話しかけられます。
そのうち、一人のおばさんが「カンフー」と叫んで仲間といっちょにこっちを
向いて笑っていました。
そういえば今日の格好は上から下まで真っ黒。
あれ、この格好ってオーストリーでは別の呼ばれ方をしてたかも。
いろいろ歩き回って足が痛くなってきたときに、ちょっと惹かれる店がありました。
中近東風のコートを売っています。
さすが市場で鍛えられ得ているだけあって、この店のマスターの商売がうまい!
ちなみに英語はほとんど話せません。
まずコートを見ているのが分かったら、すかさずそのコートをかかっている棚から
おろします。しかも見ているのとは関係のない、ちょっと安そうなもの。
「15ダラー」
ふうん、と見ていると、次々に棚から下ろし始めます。
「(15ドルのにはなかった裏地を指して)25ダラー」
さらにおろします。
「(刺繍の細かさを指で教えながら)35ダラー」
ノーノーと首を振ると、いろんなバリエーションをおろします。
そして着てみろと盛んに勧めます。着ないでいると、自分で着て見せてくれます。
それでもノーノーと首を振ると、今度はさっと女性ものを出してきました。
そして自分の娘らしい子を呼んで、着ろと言います。
女の子は照れながらモデルをしてくれました。
その間に、今度は靴と帽子を出してきました。
帽子を指して「4ダラー」、靴を指して「6ダラー」。
家族の土産を探そうと思っていたので、女性ものの服と帽子で20ドル、というと、
仕方がない、と手を挙げました。ついでに靴も、というと、「ウエイト、ウエイト」
と別の靴を出してきて、これで「3ダラー」と交渉してきます。
いいだろう、と23ドル渡して行こうとすると、行く手を遮ります。
「25ダラー」とさっきの男性用の服を勧めてきました。
ノー、と言って立ち去ろうとすると、またも「ウエイト」と別の模様のコート
をおろしてきます。「ジス、35ダラー。バット25ダラー」。うーん、この35
ドルって言ってる服って、さっきの25ドルと言ってたヤツとグレードは同じっぽい
なぁ。
ノー。
すると「ハウマッチ」と相手から聞いてきました。
思わず「20ダラー」というと、しつこく「24ダラー」と言い返してきます。
ノー。「23ダラー」。ノー20ダラー。「22ダラー。プリーズ、プリーズ」
今度は泣き落としです。
ここまでくると周りは見物客で一杯。中には「カンフー」とこっちを呼ぶ人がまた
いました。
う~ん、いっか。
にしても、これをどこで着るというのでしょう……。
ああ、またやってしまったか。