オシム倒れる
新聞記者のみなさん4人と話していたときのこと。
一番のベテラン記者の携帯にメールが届いた。
彼はちらっと見たが表情を変えない。
そして僕にだけ画面を見せてくれた。
それはオシム監督が倒れたという衝撃の速報だった。
すぐにそれぞれの記者の携帯にメールが来る。
みんな内容を確認したが誰も表情を変えない。
一番年上の記者が「ねぇ」と一言言うと、みんな「そうですね」と返して
記者の輪は解散した。
すぐにタクシーを手配する代表担当記者もいる。
代表記者が駆けつけられるようにバックアップに回る記者もいる。
誰も表情を変えなかったことが事態の大きさを物語っていた。
事件が起きると記者は興奮するというけれど、そうとばかりも限らない。
オシム監督と報道陣の関係は決してうまくいっていたとは言えないが、
少なくとも記者たちが好意を持っていたことは明らかだった。