金崎選手の言葉に含まれた文字「だけ」ではわからない部分

22日の柏vs鳥栖は1-1の引き分けで終わり、残留争いの直接対決はお互いに勝点1を積み上げるに留まりました。試合は40分、中央で走り込んだ瀬川佑輔が蹴り込み柏が先制しますが、52分、CKから金崎夢生がヘディングで同点ゴールを決めています。

試合後、ミックスゾーンに現れた金崎選手は立ち去ろうとしていたところから記者の呼びかけに応じて戻り、コメントを残しました。その発言には、なかなか文字にすると伝わりにくい部分がありました。

まず、記事として書き起こすとこうなります。

——同点ゴールのシーンを振り返ってください
「そうですね、ヘディングのシュートで……。まぁ自分の得点はどうでもよくて、やっぱりチームの結果が納得できないんで……。もうちょっと……」

——先制されて苦しかったと思うが
「自分たちはもっとできると思うんでね。はい……。あんまりしゃべりたくないです。はい」 

この「あんまりしゃべりたくないです」のあとに金崎は、実は表情をちょっと緩めていました。「悔しいのであまり聞かないでください」というニュアンスでした。ですから、たぶんコラムなどに書くとしたら、「あんまりしゃべりたくないです(苦笑)」と書くか、「『あんまりしゃべりたくないです』と悔しさを滲ませた」になると思います。

さらに、この「はい」のあとに、記者たちに向かって「お疲れ様です」と一言を残しており、それに対して記者も「ありがとう」と返答しています。

ところが試合評の中にコメントを入れるとすると、このニュアンスの部分は主観的な表現になってしまうので入れられません。記者とのやり取りも「挨拶」の交換なので省くのが普通でしょう。

となると、「あんまりしゃべりたくないです」という部分は冷たく記者を突き放していたり、何かに怒っているようにも見えてしまいます。さらに別れ際には、険悪なムードになったようにも受け取れます。

これは、わざわざコメントを残しに戻ってくれた金崎選手に対して申し訳ないと思います。なので、ここで詳細を書き残しておきます。

試合で金崎選手はずっと体を張り、味方を助けようとし続けていました。名手が傲慢な態度を見せず、自己犠牲を厭わず、走り回り、勝利への渇望を表現してくれたからこそ、あの同点ゴールが生まれたのだと思います。鳥栖は本当に鳥栖らしい、貴重な選手を獲得できたのではないでしょうか。

あ!! そう言えば村井チェアマンがこの試合にいらっしゃってました。自分でチケットを買って、一人一般席でご覧になってました。J2の試合でもお会いしたことがありますし、こういう自ら地道にマーケティングする姿勢には頭が下がります。

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