この時期だからこそいろいろと考えられるのではないかと思っています
今年はもう一本掲載させていただくことが出来ました。いつも読んでいただいているみなさま、本当にありがとうございます。前々回の玉田圭司選手に続いて、C大阪から2人目です。
FC東京に骨を埋めるつもりだったけど…茂庭照幸を変えた傷心の戦力外通告
今回の記事も、いくつも「ツッコミどころ」があると思います。例えば、代理人を付けていながら、クラブは自分に直接話をしてほしかったと振り返るところ。これは普通の編集者さんなら、矛盾しているからと追加説明を加えたり、あるいは曖昧にしたり、さらにはこの部分を削ってしまったりということがあると思います。
ですがこの連載は、できる限り登場人物が語ったとおりに、話した感情のままを読者の方に届けようとしています。そして話しているのは人間ですから、頭ではわかっていても、それでも割り切れない部分はあります。そういう気持ちの揺れ、自然に繰り返される単語、 自家撞着などをそのまま詰め込もうとしていて、それがこの部分を編集者さんが消さなかったことに象徴されると思っています。
茂庭選手は、クラブから直接声をかけられなかった理由をわかっていると思います。それでも、というのがクラブへの愛情が強かった故に起きた感情ではないでしょうか。
他にも様々な矛盾を内包している今回の原稿ですが、たぶん、同じような不安、動揺を抱えている選手は今、 たくさんいるでしょう。来季の所属が決まるまで、ずっと携帯が鳴るのを待ち続けたという話はよく聞きます。サッカー関係者に限らず、次の働く先がなくてドキドキしている人は多いのではないでしょうか。
もしかすると、茂庭選手の葛藤、焦燥などが胸に迫る人たちがいるのではないかと思います。しかも少なからぬ人数で。そんな人たちに読んでいただき、自分だけではないと思っていただけると幸いです。
この連載は、読んでくださるみなさんと、「ぐるなび」の名編集者さんとに「守られて」何とか今年も続けられました。本当にありがとうございました。できれば来年も書かせていただければと思います。ますます頑張る所存ですので、どうかよろしくお願いいたします。
ではみなさま、よいお年を。