川崎vs甲府 あえて川崎の問題点を書くとすると
38分、ペナルティエリアの中で小林悠が倒されたように見えましたがそのまま流され、そこからのパスを大久保嘉人がきれいに流し込んで川崎が先制します。
59分、大島僚太が「最初は大久保さんへのパスを考えていたのですが、相手が詰めてきたので切り替えました」という素晴らしいステップでかわすと、前線の大久保嘉人へ楔を入れます。大久保はセンスよくダイレクトで軽く触り、後ろの中村憲剛へ。中村は一瞬タメを作って引きつけると左前方のレナトへパス。ほぼGKと1対1という形になったレナトは、冷静に蹴り込むだけでよかったことでしょう。
この2点目の美しさは、何度思い出してもうっとりできるくらい素晴らしいものでした。90+2分にはレナトがカットインから3点目を決めます。ただ、実際は2点目が決まった時点で勝負ありというくらい、両者の出来には差がありました。
驚いたのは甲府の元気のなさ。前半から川崎にボールを回され、耐える時間が続いたのは仕方がないにしても、局面のぶつかり合いで川崎に譲っていては反撃のきっかけもつかめません。確かに38分まではペナルティエリアの中に侵入させないという狙いは達成できていましたが、攻撃の面で起点が作れず、ずっとやられっぱなしの状態になっていては、いつかは綻びが生まれると言うもの。
しかも、前半の失点ですからハーフタイムで修正できるはずでしたが、後半は前半よりもアプローチにいけなくなってしまいました。川崎の2点目は確かに美しかったけれど、もしこれが国際試合だったら、大島に渡ったボールの失い方が悪かったから、ガツンと大島に当たってファウルにして止めていたことだと思います。そうすればああも見事に崩されることはなかったでしょう。
そして、この3-0の試合であえて川崎の問題点を書くとすると、2点を取った時点でほぼ勝負は決まったという流れでしたから、交代選手を使ってよかったのではないでしょうか。この日の交代は2人。ですが、今後の連戦を考えると、休ませたり、あるいは控えの選手の試合勘を磨くためにも使ってよかったのではないかと思います。
川崎は確かに美しかったけれど、甲府もとことん悪かった。セカンドステージの戦いでは、甲府のお尻に火がついている気がします。