川崎vs仙台 仙台の底力と川崎の弱点
できてきましたね。次第に自分の座るだろう場所が見えてきたのですが、どうやら記者席はあまり多くないようですし、さらに今見ているところからずいぶん後ろの下がるのがわかります。すっかり人気クラブになっているのだから、報道陣も多いってことは意識したほうがいいのじゃないかと思うのですが……。
さて、ワールドカップ後に今年はたくさんのクラブが観客限に苦しんでいる中、リーグ戦はすべてソールドアウトという「多摩川の奇跡」を起こしている川崎。 この日も完売で、さらに緩衝地帯もありません。これは震災をきっかけに両クラブの交流が進み、良好な関係が保たれているから。試合前には両チームサポーターの合同チームが、被災地から川崎に修学旅行にやってきた子どもたちと綱引きをして楽しむというイベントもありました。本当は試合とともに、こんないい話ももっと話題になるといいのですが。
肝心の試合は、仙台の素早いプレッシャーとリトリートに川崎が戸惑い、ペナルティエリアになかなか進出できません。また、太田が右サイドで登里に何度も1対1を仕掛け、川崎のストロングポイントである左サイドのリズムを崩しました。
サイドを崩し、ポストプレーを入れ、後ろから現れたウィルソンが決める。41分の仙台のゴールは狙ったとおりの形だったと思います。
後半に入るとお互いに攻めきれない状況が続きました。川崎の試合では珍しく、ペナルティエリアの中に進出できない時間帯が続き、ついに81分、風間監督は登里を下げて森島を入れ、パワープレーに出ます。そして90分、中村のパスに森島が頭で合わせて同点。負けていた試合で最後に貴重な勝点1を川崎が奪い、仙台の手から勝点2が逃げていきました。それでも仙台のゲーム運びは見事というほかなく、最後に集中力が切れてしまったのが悔やまれることでしょう。
また、仙台が太田を自由に走らせ登里を守備に追い込んだことでレナトと登里のラインが消えました。ストロングポイントをあえて攻めるとリズムを変えられるというのは、ブラジルワールドカップで日本が香川と長友のサイドを攻められ、崩れてしまったのと同じ。このあたりに川崎攻略のポイントがあるのかもしれません。