鳥栖の尹晶煥監督交代でいろいろな噂が流れていますが……

鳥栖の監督交代について、いろいろな噂話が流れているようです。その中で気になることがあるので、自分の調べた範囲内のことから、書き留めておきたいと思います。

尹晶煥監督の解任に「嫌韓」意識があるのではないかという噂には、全面的に違うだろうと言っておきます。夢に見た鳥栖の昇格、J1への連続残留など、すべては金民友選手を筆頭とする韓国人選手の活躍及び尹晶煥監督の手腕によるものでした。まず、鳥栖のファンたちの声を聞いても感謝しこそすれ、「嫌韓」という話など聞いたこともありません。

このまま尹晶煥監督がJリーグで優勝することを阻止したという考え方も、理論的ではないと思います。もしそんな狙いがあるのなら、終盤に来たときに監督交代劇が起きるはずです。今、まだ混戦が続いている段階ですし、去年の大宮を見ても鳥栖は今後まだ大きく順位を落とす可能性があります。

また、株主が尹晶煥体制を嫌ったのではないかという噂も、考えられないことです。今年、増資した鳥栖の運営会社では、確かに株主比率が変わりました。ですが、差は大きくなく、また筆頭株主が自分の色を出そうとするのに社長を送り込むのでなく、監督を交代させ、わざわざ反発を招くことをするとは思えません。

論理的に考えると、昨季3億円の赤字を計上した鳥栖が、高成績を上げている尹晶煥監督の年俸アップの要望に応えきれなかったというのが正しいのでしょう。一般的に出回っている年俸2000万円という推定金額はきっと間違っているはずです。そしてその決裂の仕方が激しかったか、鳥栖がこのような事態に慣れていなかったかで、サガン鳥栖になってからは初めてのシーズン途中での交代となったのだと思います。

本当なら、尹晶煥監督には今季の最後まで指揮を執ってもらい、これからしばらく時間をかけて吉田新監督の体制を整えさせ、シーズンの最後に盛大な送別でもやるのが一般的だと思います。そうできなかったところは鳥栖の甘さですし、監督交代の記者発表に永井強化部長しか出てこなかったことも、体制の弱さです。まだまだ鳥栖にはプロとしてのしたたかさが足りないということでしょう。

ただ今は敢えて火中の栗を拾った形になった吉田新監督が早くチームを軌道に乗せることを願います。現役時代から人格者でしたし、尹晶煥監督に続いてチーム出身者ですから、クラブは今度の監督も大切にしなければならないはずです。
 

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