川崎vsG大阪 ミスが少なく美しい好ゲーム
両チームともミスの少ない、すばらしい戦いでした。ボールコントロール、パス交換とも丁寧で、どこをどう攻めようかという意図もしっかりしており、パスゲームが好きな人にはとても面白かったのではないでしょうか。試合後、風間監督に「両方とも静岡のチームのように球を大切にしていた」と感想を言ったら「僕は小さい頃までしか静岡に住んでいませんよ」と笑いながら応えてもらいましたが。
5分、FKにジェシがヘディングで合わせ、川崎が先制します。ところが19分、左サイドから入ったボールをジェシがなぜか見送って、背後にいた遠藤が微妙にコースを変え、G大阪が同点に追いつきました。
その後は一進一退の攻防になりましたが、ボール回しで言えばほぼ互角。ただし、G大阪はボールを奪われた後のチェイシングが厳しく、川崎がやや後手に回ったと言えるでしょう。しかし、その時間を「きっと相手は後半バテてくるはず(大島)」と思い川崎は耐えていました。
はたして言葉どおり、後半に入ると川崎が息を吹き返します。ところがいつもは決定力抜群の大久保がことごとく外してしまいます。特に18分、小林のクロスに素早く合わせてGKの頭上を抜こうとしたシュートは大きくバーを越してしまいました。
G大阪も31分、ゴール正面26~27メートルと絶好の位置でFKを獲得します。遠藤の蹴ったボールはきれいな弾道を描いてゴールへ。ところがこれを西部がファインプレーではじき出し、逆転を許しませんでした。
するとアディショナルタイム、レナトのクロスにファーサイドの大久保がヘディングで合わせて川崎が加点し、そこままホームチームが2-1で勝ちました。
いつもはレナトのクロスをゴール中央に向かって走り込みながら狙う大久保が、なぜか決勝点の時はファーサイド、しかもコースを考えるとヘディングで合わせるしかないところで待っていました。どうしてあのポジションを取ったのか。「わかりません。オレにもなぜあそこにいたかわからない。いつもは浮き球じゃないのに、今日は『あ、上がった』と思って飛び込みました」。何かのイメージが見えてあのポジションにいるのでしょうが、 どう感じたかというのは、本当は言葉で説明できないものなのでしょう。と、言葉を商いにしている私がぶっちゃけてはいけないのかもしれませんけど。
試合後、遠藤選手は「あとはゴールだけなんですよ。悪い戦いをしているとは思っていません。得点が取れれば上がっていけると思います。上位が足踏みしているので、まだまだ諦めていません」と語ってくれました。「諦めていない」というのは当然優勝のことでしょう。敗戦の後でもしっかりと強い気持ちを保ち続けられる精神力は、やはり遠藤選手だと思います。
さて、この日の工事の進捗状況。