川崎の練習取材で気付いた「ワンタッチ」が先か「スモールエリア」が先か
試合前日の川崎の練習取材に行ってきました。いくつも面白いポイントがあったのですが、その中で興味深かったのは15メートル四方のグリッドの中で行われていた7対3。ダイレクトで簡単にボールが回って行きます。2000年代の川崎では、この広さなら2タッチすることが多かったと思うのですが、選手のボールコントロールが上がっていて、そのぶんタッチ数が少なくなっており、結果としてスピードが上がっています。
どうやれば選手をこうやって育て上げられるのか。いろいろな教則本には、タッチ数の制限をつけたり、フィールドを小さくすることでこのような効果があると書いてあります。ではどちらを先にやったほうがいいのでしょう。
練習後、風間監督に聞いた内容はどちらでもありませんでした。
「まず最初に中にいる3人をしっかり見て、どうすればボールが通るのかをじっくり教えて、そこからトレーニング。何度も繰り返していると選手は見ることができるようになってくるから」
「日本人は教えられたことをしっかりやろうとするから、『ワンタッチ』というと、ワンタッチでパスすることはうまくなるけれど、それは本質じゃない」
「自分たちのボールになったら相手を見る。相手のボールになったら自分たちを見る。これは教則本に書いてあることの逆でしょう?」
このトレーニングの本質を教えるというのが大切なことなのでしょう。ところで、その「相手のボールになったら自分たちを見る」というのは、昔の読売クラブのルディ・グーテンドルフ監督が言っていました。もしかしてドイツ繋がり?の発想方法なのかもしれません。