こういうところで指導者が育つのなら!

本日、C級コーチライセンスのリフレッシュ研修会でした。

JFAのコーチライセンスは、一度取れば終わりではありません。決められた期日までに、講習会などで決められたポイント数を積み上げなければ失効してしまうのです。

ところが講習会が土日に重なることが多々あり、土日が仕事だと講習会に行ける日は限られてきます。また、人気の講習会はあっという間に埋まることもあり、受講するだけでもなかなか大変です。

ですが僕のライセンスも今年更新で失効間近! ヤバイ! で、この日は午前9時から午後17時までの研修会に参加しました。

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まず座学でU-12の現状を勉強します。試合のビデオなどが放映され、今の子どもたちのレベルを確認します。と言っても、全国少年サッカー大会のビデオだったりするので、とてもレベルの高い子どもたちであることには間違いありません。「こんな子どもたちを下手に僕が指導すると伸びる芽を摘んでしまいそう」と思えるくらい、しっかりしたプレーをする少年たちでした。

1時間の座学の後、いよいよピッチに出て実技です。午前中はいくつかのメニューを自分たちでプレーして、効果が上がるのかどうか確認します。
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会場だった拓殖大学は広い! 間違って北口に行ったら、警備員さんから「信号5つ先が南口です」と教えてもらいました。まるで一つの大きな集落です。中にサイクリングショップまであるという大学を初めて見ました。グラウンドも立派な人工芝で走りやすい!

サッカーして楽しいな! なのですが——午前中が終わるころには、すでに筋肉痛です。もはやギブアップか、と思っていたのですが……。 

午後は2人1組で指導実践です。自分たちで作ったメニューを残りの参加者に選手役になって試してもらい、トレーニングの効果があるかがテストされます。2人1組ということは、自分がギブしちゃうと相手に迷惑がかかってしまいます。僕のパートナーは、

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笑顔と大声が特長の松尾さん。午前中から大きな声で、名解説者になぞらえ「松木さん!」と人気者になっていた方でした。 

この松尾さんが講習会になれていらっしゃったので、松尾さんに教えていただく形で指導メニューを書き、いよいよ実践です。

お、おかしい。いつもほど声が出ない。みなさん、はるかに僕よりうまい方ばかりですごく緊張しました。さんざんな出来でしたが、プレーヤー役のみなさんに助けられて何とか終了。今回のメンバーじゃなかったら、きっとトレーニングにならなかったかも。

自分の実践が終わり、他の方のプレーヤー役の途中でこむら返りを起こしそうになりながら、マッサージして最後にちょこちょこと復帰しました。あー、リタイヤせずに良かった。

この日の最後の総評で講師の方からは「今日はこれまでにないくらいレベルが高かった」と評していただきましたが、それは指導のレベルとともにプレーのレベルも高かったということでしょう。元帝京高や東京Vスクールコーチの方と1対1になったときは泣きそうでした。自衛隊の方は僕のマークの時、厳しくこないでいてくれて、そこに優しさを感じました。2名の女性の方はがんがんゴールを決めたり、見事なカットを見せたり。お一人はJAPANサッカーカレッジレディースのGKとして、去年ステラとの会場でお会いしていた方でした。会場は八王子だったのに千葉や群馬の方々もいらっしゃって、精鋭が集まったという感じです。

ただ、この日の講習会の一番の特長はレベルの高さよりも、みんながとても明るかったということではないでしょうか。笑い声が溢れた1日になりましたし、みなさんの指導を見ていると、言葉に優しさが溢れているだけでなく、強引に自分の意図に従わせようとしない。この雰囲気の中で子どもたちが楽しんでくれれば、燃え尽き症候群などはないのではないか——と、心から思いました。最初は緊張感でガチガチだった僕も、最後はリラックスしてプレーしていたくらいでしたから。

本当はみなさんの写真を出したいのですが、掲載許可を取っいたのは松尾さんだけでした。うーん、残念。とてもご紹介したい人たちばかりだったのに。

というのも、今年の冬はこの本を読んでとても考えさせられることが多かったのです。
それでも「美談」になる高校サッカーの非常識 [ 加部究 ]
それでも「美談」になる高校サッカーの非常識 [ 加部究 ]

また、こんな連載もありました。
【特別対談】加部究&幸野健一:理不尽が横行する高校サッカーの非常識。真の「プレーヤーズ・ファースト」が浸透するために必要なこと(その1)
【特別対談】加部究&幸野健一:理不尽が横行する高校サッカーの非常識。真の「プレーヤーズ・ファースト」が浸透するために必要なこと(その2)

今日のような場で指導者が育つのなら、体罰などを考えることはないことでしょう。なのになぜ理不尽な指導が行われるのか。日本社会の「美徳」のワナがそこにはある気がします。
 

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