川崎vs東京V 台風一過と大久保無双と夢の対決
台風26号が通り過ぎ、試合前の等々力の空にはエッジのハッキリした雲が浮かんでいました。
現川崎と元川崎の等々力での対決。でも移転したのは2001年ともう一昔前で、どちらかというと、2008年の最終節で対戦した際、川崎Fが勝利を収めて東京VをJ2に沈めたというほうが記憶に新しいのでしょうか。フッキのやりとりもあったし。
中村選手が出られないとはいえ、川崎は攻勢に出るでしょうし、かといって、東京Vも深く引いて守るわけがない。好ゲームの予感——はすぐに終わりました。
開始早々から川崎が圧倒的にボールを支配し攻め込みます。ところが東京Vはボールを奪ってもミスが目立ち、また味方のミスに対して気を遣ってあげるようなプレーが少なく、一方的な展開になります。
「無双」状態だったのは大久保選手。ボールを持つと囲まれても突破し、好パスを供給し続けます。途中から中盤深くに引いて歩きながら悠々とボールをつなぎます。そしてあっさり2ゴールを奪い、前半を終えました。
後半、風上に回った東京Vが反撃に出ます。ところがアタッキングサードでの連携が悪く、川崎を崩せません。すると終了間際にカウンターを浴びて3点目を失い、そのまま試合は終わりました。
「特に前半は楽しかったよ」と大久保選手。満面の笑みでしたが、この日は思うことが何でもできたのではないでしょうか。
大久保選手の活躍に目を奪われながら、もう1つ、川崎のファンが楽しみにしていただろう対決がありました。 森選手と登里選手とのマッチアップです。試合後、登里選手が「今年対戦した相手の中で一番強力でした」と一言。確かに森選手がほぼ勝利を収めていたと思います。足が痙攣しそうだということで交代してしまい、登里選手と交代した小宮山選手が「対戦したかった!」と残念がっていました。
それにしても、東京Vはお互いに気を遣い合えば、もっと素晴らしいサッカーができる選手は揃っていると思うのですが……。