ステラvsS世田谷 散るからこそ華は美しきかな
8日、大雨で中止になっていたステラvsS世田谷の試合は、17日、急きょ開催が18日と決定し、再びNFPにて開催されることとなりました。
18日に再開するのは、8日の後半6分まで消化し、0-2の状態からでした。昔、鹿島vs川崎で残り16分という再試合がありましたが、同じ形です。昔、菅野監督が湘南を率いていたとき、アウェイの鳥栖戦も途中で中止となり、そこまでリードしていた湘南のスコアはチャラになって、90分の再試合となったことを思い出しました。あのとき、再試合では鳥栖が勝っています。菅野監督にとってみると、いつも貧乏くじという感じでしょう。
再開直後からステラはボールを奪うとすぐに相手DFラインの裏にめがけてパスを蹴り込みました。単純で力強い攻撃のため、試合のテンポが上がります。それこそがステラの狙いで、このまま1点を奪えばホームに大きく傾いた流れは途切れないでしょう。
ですが、展開が単純になってしまったのは否めませんでした。次第にS世田谷がステラの攻撃に慣れ、ステラは激しく上下運動を繰り返すうちにたちまち消耗してしまいました。そんなとき、攻撃を受けたステラがはね返し、攻め返そうとするときにカウンターを受けます。そしてそのままゴール。
0-3になった後もステラは必死で前線にパスを供給し続けました。吉見選手を前線に近いところに上げる布陣だったのに加え、最後は寺田選手もトップに上げてハイクロスからのゴールを目指します。
もしかしたら、いつものようにパスをつなぎ、サイドを崩していけばチャンスはもっと作れたかもしれません。でもそれは結果論。チーム一丸となってパワープレーをずっと続けても、ゴールが取れないというのはまだまだ力が足りないということです。
ただ、11人の選手たちが必死の形相で39分間、相手ゴールを目指す姿は胸を締め付ける悲壮感に満ちあふれていました。結果は残念でしたが、人が全身全霊で真剣に物事に取り組んでいる姿を見るのは、いつも心にざわめきを起こしてくれます。わずか39分間でしたが、そんな日常では味わえないときを見ることができました。
菅野監督は試合後、選手たちのクールダウンを手伝いながら、魂が抜けた顔をしていました。
高野カメラマン、写真を撮りながらハートをつかまれていたのだろうなぁ。
失敗作。
みんなが熊谷トレーナーに謝っているように見える写真です。