川崎vs浦和 怒っていたけど人が好いかも
浦和も川崎も3-4-3。しかもすべてのポジションがマッチアップするという、珍しく1対1が楽しめるガチンコ対決になりました。
浦和にとって、鈴木啓太選手がいなかったのは大きな要素になったかもしれません。本来なら中村憲剛選手とマッチアップし、オシムジャパン時代のボランチが激突するという戦いになったでしょう。ですが、その中村選手がうまく抑えられず、川崎は困ったときに中村選手、中村選手が持てば相手の裏に走ってボールをもらう、という形を作られてしまいました。
ところで、この試合で最初心配だったのは大久保嘉人選手。うまくボールが回ってこないと味方に対して露骨に不満を示していました。うーん、昔のフッキ選手みたい。 このままでは集中力が切れてしまいそうだし、下手をすると主審に文句でも言って退場するのではないか——と思っていた28分、逆襲カウンターで大久保選手にパスが出ます。J1リーグ通算100ゴールがかかっている大久保選手は強引に突破してシュートするのではないか、と思っていたら、ペナルティアークでターンし、相手を引き付けて中村選手へ。中村選手は落ち着いて蹴り込み先制点を奪いました。
さらに30分、稲本潤一選手がカットしたボールをレナト選手が持ち込み、シュートの跳ね返りを再び拾うと今度は決めて追加点を奪います。
43分、大久保選手が登里享平選手にスルーパスを通し、それを山本真希選手が決めて3-0。後半に入って49分、大久保選手とパス交換で進んだ中村選手が倒されてPKを獲得します。これを大久保選手が決めて、J1通算100ゴールでこの試合を締めくくったのでした。
一番心配していたことを大久保選手に聞いてみました。
[試合開始早々から熱かったから、今日はヒヤヒヤしましたよ」
「いや、あそこから先は行かないから。大丈夫、大丈夫」
そう言えば、先制点も3点目も、自ら強引に進んでもいい場面でちゃんと味方にパスしています。もしかして、そこまでに見せていた怒った顔は演技? いや、とてもそんなんではない雰囲気が……。