大宮vs鳥栖 鳥栖の持っている武器

17分、鳥栖の選手がカットしたボールが大宮につながり、折り返しを青木選手が決めました。そこまでほぼ大宮ペース。大宮は金民友選手の後ろを突く素振りを見せ、ボールが反対サイドにあっても2人選手をサイドライン付近に配置しました。そのため野田選手が守備に重点を置かざるを得なくなり、後手を踏みます。鳥栖はなかなかボールもつながらず、大差がつくゲームになるのかと思われました。それほど差のある立ち上がりだったのです。

この先制点で、大宮はいつでも点が取れると思ったかもしれません。鳥栖は攻め込みますが、最後が不確かで、チャンスと数えていいかどうか、という感じでした。ですが、鳥栖の手数が増えていき、逆に大宮は減っていきます。

後半立ち上がりから、鳥栖はさらにギアを上げました。後半は水沼選手がスタートポジションを少し変えたため、大宮がマークに着きづらくなります。水沼選手の素晴らしいボレーが飛び、水沼選手のクロスから豊田選手が狙います。鳥栖の攻撃の精度は少しずつ上がってきました。

僕が勝負の分かれ目だと思ったのは65分過ぎ。大宮が一度は主導権を握り返し、試合のテンポを握りました。ですがそのとき、大宮はスピードアップせず、逆にペースを落としました。息切れ寸前だった鳥栖にとって、そのペースダウンは回復する時間を稼ぐのに幸いだったと思います。

83分、池田選手がボールコントロールを乱しながらも強引に突破し同点ゴールを決めました。この温度で無茶なことをできるのはたいしたものですが、結局池田選手はこのまま足が痙攣して交代することになりました。

鳥栖の攻撃は、あまり切れないナタのようでした。前半から何度も振り下ろしますが、大宮の盾にしっかり防がれます。ですが、力任せに何度も振り下ろし続け、最後は盾を持つ大宮の手が疲れて下がってしまいました。

これだけ振り下ろせるだけでもたいしたものです。これに豊田選手や野田選手のキレが加われば、そしてこの日見せた鳥栖らしい粘りがあれば、ここからの巻き返しは十分に可能でしょう。 

大宮のオフィシャルカメラマンの早草さん。サッカーダイジェスト時代からの知り合いで、妥協のない仕事をする人です。
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「ミラーレス持って楽しそうだね」とおっしゃるので一枚パチリ。あーでも出来が良くないから怒られそう(笑)。 

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