川崎vs鳥栖 理想と現実の狭間に

けが人が相次いでいる川崎ですが、それでも風間新体制で個々人の「サッカー力」は上がってきていると思います。中村選手は別格として、他の選手も慌てることなくパスコースを作って出して、ボールの保持率は上昇しているでしょう。

そうやって押し込んだ川崎が前半、中村選手のシュートから先制点を奪います。ところが後半、集中力が切れたところで立て続けに鳥栖から2点を奪われたました。その後、PKを得るのですがこれを失敗。さあ両監督がどう動くか、というときに鳥栖の尹晶煥監督が大胆に動きます。

5DFにしてその前に4MFを守備的に並べ、攻撃は1トップを残すのみ。この時点で残り25分ありました。川崎は何度も崩しかけるのですが、最後は鳥栖の体を張った守備にゴールを奪えずこのまま鳥栖の2-1の勝利となりました。

鳥栖がこれほど悪い試合を見るのは今季初めてでしたし、残り25分間を川崎の攻撃のフォーメーション練習ではないかと思うような一方的な展開にして過ごすという大胆な作戦でしたが、 見事にミッションをコンプリートしました。ある鳥栖の選手が「僕たちは苦しい展開になれている」と言っていましたが、その精神力の強さがこの順位にいる秘密なのでしょう。

僕は、個々の力をうまく上昇させている川崎・風間監督の近くを見ない戦い方と、目の前の一戦にすべてをかける鳥栖・尹晶煥監督の戦い方の違いが、今のところはPKの失敗まで含めてこういう形の決着になったのだと思います。もっともこの勝敗も歴史の一部。どちらが優勝を先に手にするか、本当はそれが今後目ざすべき勝負の姿でしょう。

ところで。この試合にも来ていらっしゃいました。
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左は鳥栖の井川会長、右は伊東専務。試合前と後、チームと一緒にサポーターの前まで行って挨拶なさるので、鳥栖ファンにはおなじみの方々だと思います。この伊東専務は、これからロンドンに行くということでした。え? オリンピックは終わったのに?

実は伊東専務の本業であるロキテクノは、これから開催されるパラリンピックのテニスの選手を支援しているのです。その選手を応援しに現地入りと言うことでした。鳥栖も助けつつ、そうやって別の選手も支えているなんて、本当に素晴らしいことです。そんな姿勢があるから伊東専務はもてるのでしょう。あ、その話はまた別の機会に(笑)。

それから。26時間のうちになでしこジャパンと五輪代表の敗戦を見てサッカー関係者のみなさんが少々落ちてました。だからみんなで「元気出していこうね~」と声を掛け合っていました。元気出していきましょうね~!!

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