横浜FCvs福岡 難しい試合に対応した両チーム
24分、横浜FCの武岡選手がペナルティエリアのボールを追いかけたところで福岡の選手と接触しました。俊足の武岡選手だったからギリギリに見えましたが、実際はほぼ触れるかどうかという難しいボールで、もちろんDFとの追いかけっこになっていました。そこで笛。武岡選手がシミュレーションを取られたか、と思っていたらPKでした。
確かに記者席よりも主審のほうがプレーしている場所に近いから、レフェリーの判定は尊重されなければいけないでしょう。だけど、遠目には間に合わなさそうなボールを追いかけてDFと接触し転倒しただけに見えました。福岡の選手たちも憤懣やるかたなく見えましたし、ベンチは燃えているように思えました。そこにいたのは男・前田浩二監督。
その後も笛は一定しないように見えました。そんなとき、もしも選手やベンチが激しく詰め寄ったらきっと試合は別の意味で白熱したでしょう。ですが、ピッチ上もその横も、できる限り冷静さを失わないようにしているようでした。
後半、ペナルティエリア内で横浜FCの大久保選手のヘディングシュートを、一緒に飛んだDFが手でブロックしました。故意ではないにしろ、手を上げて飛べば当たる可能性があるため、これはPKでもおかしくありません。ですが主審は笛を吹きませんでした。そして74分、右サイドからの折り返しを高橋選手が決めて同点。正直に言うと、前半の1点がこの試合の決勝点にならずにホッとしました。そこから両チームが攻め合いますがゴールは生まれず、1-1でタイムアップしました。
試合後、2人で話していると前田監督が「あれって記者席からはどう見えました?」と静かに聞いてきました。その効き方の柔らかさに、現役時代とはちがう凄み、というか年輪を感じました。僕が答えると「そうですよね~」とちょっと笑いながら答えていらっしゃいましたが、それは引き分けに終わってホッとしたからかもしれません。