湘南vs徳島 湘南はしぶというちに
湘南vs徳島は0-0の引き分けに終わりました。とても渋いシーソーゲームだったと言えるでしょう。湘南がPKを獲得したものの決められず、逆に後半、退場者を出した後はバランスを取りつつ粘って引き分けに持ち込みました。お互いにあまり決定機が多くない展開になってしまったのは、それぞれけが人を抱えているからでしょうか。特に湘南は守備にけが人が続いています。シーズン最初の元気の良さは、少々空回りに変わっている気がしました。確かにハードワークしてはいるのですが、坂本選手のリズムの変化などをもっと生かすことができれば、タメがさらに作れる気がします。
それにしても湘南はこれで5試合連続の引き分け。今日にしてもチャンスに決められず、退場者を出したのですから負けてもおかしくない試合でした。ですが引き分けにまで持ち込めるというのは、昔の勝ちも負けも派手な湘南とはちょっとイメージが変わってきた気がします。しぶとく勝点を積み上げながら調子が戻るのを待てる、というのに今年の湘南の強さを見た気がしました。
ところで、この日は訳あって記者席を離れ、観客席の中でiPadを広げてメモを取りつつ取材しました。目の前には親子連れ。子どもはまだ小さくて、ウロウロしている姿がとても危なっかしくてかわいくて、だけどとうてい自分たちの意思でここに来ているとは思えず、きっとこれは親のどちらかが好きなんだろうなぁと思ってみていると、選手入場の際にそれまで科目だったお父さんのほうがさっと両手を挙げてタオルマフラーを広げました。広げるだけで何も言わないんですけど、その姿がクラブに対する愛一杯で、試合中も周りの人は寡黙なんですがピンチやチャンスのときにぴくりとからだが動くのを止められなくて、なんか、こういうの忘れちゃいけないなぁ、と時々はこういう場所で試合を見なきゃいけないと決心しつつ帰宅したのでした。