ハイブリッド関塚スタイル?
今回のマレーシア戦は残念ながら現地に行っておりません。なので、以下は検証した意見ではありません。
川崎時代の関塚監督の采配を、僕は2パターンあると思っていました。1つは選手を育てる起用法。もう1つは勝負に徹した起用法です。そして、その起用法をいつ使うかということが、病気休養前と休養後で違うと感じていました。
病気休養前はシーズン序盤から中盤にかけて選手を育てる起用法を用いていたと思います。一番端的だったのが、失敗をした選手を次の試合でも使うこと。そしていいプレーができるようになった後に、一度休養させるのです。また、新しくチームに来た選手は途中出場で使い、次第に出場させる時間を延ばしているようでした。そして勝負を賭けるシーズン終盤では、選手を調子によってドライに使っていたと思います。もちろん、関塚監督の良さは選手に対する細やかな気遣いでもあったので、選手は出場できないことでストレスを溜めながらも関塚監督に対する信頼を揺らがせていませんでした。
それが病気休養後は、シーズン最初から勝負に徹した起用法を用いていました。失敗した選手はしばらく出番がなく、また監督のフォローも休養前よりは薄かったと思います。ですが、選手たちはみんな監督のことをよくわかっていたので、求心力はさほど低下していませんでした。
さて、以上の私の感想の基づいてマレーシア戦を見ると、関塚監督は昔のスタイルのうち、勝負に徹する采配をしてきたと思います。1つは山村選手を先発から外したこと。それから齊藤選手を先発させたこと。代表チームだと選手と接する時間がクラブに比べると短いから、関塚監督がどう選手をフォローするか見物かな……と思っていたら、山村選手が投入されました。
マレーシア戦はともかく点数がたくさんほしい試合だったと思うので、扇原選手がやや危ないプレーをしていても使い続けて、別の攻撃的な選手を入れるという手もあったと思います。ですが、そこで山村選手を起用したことは、彼に強力なメッセージになったのではないでしょうか。早く戻っておいで、という。そうだったら、僕は非常に関塚監督らしい部分だと思います。
なので、今回の采配は川崎時代の采配のパターンを両方取り入れた形に思えました。これはハイブリッドなのかも。ぜひ検証してみたいものですが、関塚監督は昔から「采配については話しません」という人ですから……(川崎を辞めた後に「今度話を聞かせてください」と言ったところ、「僕はまだ現場をやるので本当のことは話しませんよ」と釘を刺されてしまいました)。てへぺろ。