その日のスタジアム

運命の12月3日がやってきました。
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ちょっとだけ雨が降っていますが、ほとんど曇り。

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あれ? すごく人が並んでいます。鳥栖の動向として試合開始のすぐ前にみんな駆け込んでくるというのがあったはずですが……。
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ショップの前にも人だかり。

そうですよね、その日ですもんね。

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光も差し込んできました。

試合は、熊本が2回リードし、鳥栖が2度追いつくという展開でした。鳥栖の衰えない運動量と、こういう試合を引き分けに持ち込める勝負強さ、それに満員のスタジアムのすばらしさというのを感じさせてくれる内容でした。

アイムアップのホイッスルが鳴った後、場内は静かでした。もしかしたら大興奮に包まれるんじゃないかという予想は外れました。みんなで、しっとり喜びを分かち合う。ぐぐぐっとうれしさを打ちにとどめる喜び方。それは鳥栖という土地にふさわしいのかもしれません。

だけど、それをぶち破ってくれたのは熊本のサポーターでした。
サガン鳥栖コールに続いて、温かいメッセージ。鳥栖のサポーターが紙テープを用意したように、彼らも貴重な時間を使って用意してくれたのでしょう。
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このとき、初めて場内の気持ちが熊本の温かい導火線の前に爆発した気がします。

ところで、僕は失敗をするところでした。この日の入場者数は、2万2532人。鳥栖スタジアムの最高新記録です。で、僕の手元にはもぎられていないチケットがあります。 入場者数には熟れているだけのチケットは数えないそうです。

もしも、「あと1枚で最高入場者数だったのに~」というとき、僕がもぎってもらっていなければ、僕のミスになるところでした。ひぇー。あぶない、あぶない。

それから、この日、こんな一団がいました。
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おいおい、みんな懐かしいものばかり着てるじゃないの。
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すっかり太った有田の樋渡君も登場です。

そんな「シルバーシート」の連中が、試合後、昔のようにスタジアム前のちょっと小高くなっているとこでくだを巻いていたら、高嵜リキGKコーチが見つけてやってきてくれました。実は高嵜コーチは今年サポーターとチームがうまくいかなくなったときに、間に入っていろいろ考えてくれました。鳥栖の伝説の名手がそうやって歩み寄ってきてくれる。その鳥栖の距離感の近さがこれからも続いてくれることを願ってやみません。J1に行ってもね。

そうそう、最後の挨拶で社長が「いつかはACL出場をめざしたい」とおっしゃってました。優勝じゃない、奥ゆかしいところがサガン鳥栖だなぁ。

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