なぜこの試合で(涙)

ナビスコカップ2回戦第2戦、等々力に川崎vs横浜FMを取材に行きました。第1戦は横浜FMが4-0で勝っています。よほどのことがない限り、川崎の逆転はありません。

しかも25分、谷口選手がゲルト・ミューラーの反転力を思い出させる難しい体勢からのシュートを決めて横浜FMが先制しました。この時点で川崎は6点を奪わなければ勝てません。40分、田坂選手がヘディングシュートで同点に追いつくと、相馬監督は後半、次々に休ませていた選手を投入して勝負に出ます。

ジュニーニョ選手を入れ、中村選手も投入します。それでも64分、大黒選手が勘のいいシュートで突き放しました。 川崎はあと7ゴール必要です。もうどう考えても無理です。それでも相馬監督は山瀬選手までつぎ込みました。

すると86分、ジュニーニョ選手が同点ゴール。そして90+5分、山瀬選手が逆転ゴールを挙げて川崎が勝負を収めました。

川崎が試合には勝ちました。だけど2戦合計は横浜FM6-3川崎で、横浜FMの勝ち。土曜日にはG大阪を破って勢いに乗る甲府とのアウェイ戦が待っているというのに、川崎は選手を休ませることなくプレーさせました。ほとんど逆転の目が無いというのに。

川崎はせっかく勢いが出てきたから、その流れを崩したくなかったというのもあるでしょう。確かに負傷明けの中村選手も含めてリズムはよくなっています。シュートも打てるようになりました。

そして何より、この試合には1万528人のファンが詰めかけていました。どう考えても敗退は目の前なのに。

プロだからそんな感傷はないのかもしれないのですが、この詰めかけたファンを見たら、選手はそりゃ頑張っちゃうよなぁ。それがこの日の「等々力劇場」を生んだ原動力ではなかったのかと、つい川崎の選手の生き生きとした声を聞きながら思ったのでした。 

Follow me!