2011アジアカップの旅15 ところでヨルダン戦前日記者会見

ヨルダン戦の記者会見は8日、メインメディアセンターで11時30分すぎから行われました。11時36分、ザッケローニ監督が登場する。ものすごい数のカメラマンが囲み、日本に対しての興味の高さが表れていました。会見場は日本以外のメディアも詰めかけ満員で、立ち見も出るほど。ザッケローニ監督は引き締まった表情で壇上に上がります。

会見の要約は以下のとおり。 

ザッケローニ監督「コンニチハ。まずは選手たちに伝えようと思っているのですが、日本は気を引き締めてこの戦いに臨まなければならないと言うことです。明日のヨルダンはいいチームですし、カウンターアタックに気をつけて臨まなければならないと思っています」
 
——長谷部選手がキャプテンですか? 彼に求める役割は?
ザッケローニ監督「彼にキャプテンマークを渡したというのは、彼が精神面でも技術面でもキャプテンを担うのに一番いい人材だと思うからです。以前からキャプテンだからということでキャプテンにしたわけではなくて、このチームのキャプテンということです」
——けが人の状況は?
ザッケローニ監督「アジアカップのルール上、6時間前まで選手の入れ替えができると聞いていますので、最後まで悩もうと思っています。現状では槙野、酒井、岩政がその対象になっています」
——プレッシャーはどの程度ありますか?
ザッケローニ監督「プレッシャーは監督という仕事に慣れているので、プレッシャーは感じていません。日本サッカー協会とも話して、このチームのアジアカップの目標はいい戦いをすることということになりました。そのいいと言うことは何かというと、相手もあるので具体的に話はできないのですが、この大会ではいい戦いをして、次の大きな大会にいい戦いをすることが目標です。その目標があるので若い選手を連れてこようと言うことで、平均年齢が25歳にもならない若いチームを連れてきています」
——ワールドカップで日本がいい戦いをしたのでその後を率いるのにプレッシャーはありますか?
ザッケローニ監督「監督として戦っていく上でいい結果を残すのは当たり前のことです。だからプレッシャーを感じるというのではなくて、冷静に自分たちがやることをやるのが日本代表です」
——初戦の意義とポイントは?
ザッケローニ監督「1戦目というのはとても大切ととらえていて、そこでいい結果を残せばいいスタートが切れます。でもスペインのように初戦を負けながら優勝したというので決定的な試合と言うことではありません。それでも去年のアルゼンチン戦、韓国戦というフレンドリーマッチの後で初めての戦いということからとても大切な戦いになります」
——キャプテンとして気をつけることとヨルダンに対しては何を気にして戦いますか?
長谷部選手「毎回いっていることなのですが、キャプテンなので特別なにをするというわけではなく、今の選手はみんな自覚を持っているので特別にやることはないと思います。明日は僕たちが攻める時間が多くなると思いますが、その中でリスクマネジメントをどうするかという基本的なことをやれば問題ないと思っています」
※(この「問題ありません」という発言は、解釈によってはヨルダン戦に負けるはずがない、と語っているように取れるかもしれませんが、その場のニュアンスでは「やらなければならない」という感じでした。こういうのって文字原稿だけだと雰囲気が伝わらないので怖い部分です)

——これまで監督は親善試合を2試合しかしていないのですがこの試合に対してプレッシャーはどうですか?

ザッケローニ監督「プレッシャーは何度もいいますが感じていません。私は監督という仕事をよくわかっています。それに現時点で選手がいいクオリティを持っているので、これからさらに経験を積んだらもっといい選手になるという、その楽しみを持っています」
12時04分、会見終了。監督は引き締まった表情のまま、会見場を後にしました。
会見ではひな壇の隣に日本代表のイタリア語通訳、日本サッカー協会による英語訳、AFCが用意したアラビア語の通訳が横に立ちます。まずはザッケローニ監督が話し、日本語に訳され、さらに英語に翻訳され、そこからアラビア語にも訳されます。質問も、日本語の質問はイタリア語に訳して監督に伝えられ、その回答がまた同じプロセスを経て発表されます。そのため、一度の発言に対して時間がかかるという問題があります。
前回のアジアカップ、オシム監督が率いていたときにも同じ問題がありました。そして前回大会の時は、記者会見で何人かの英語がわかる監督が通訳の言葉に納得がいかず、自分で英語で説明を始めたりもした。
今日、そういう問題はありませんでした。それでも時間がかかることは間違いないので、ワールドカップでやっていたように、ラジオで同時翻訳するという手段がベストでしょう。もっともそこまでコストがかけられるほどアジアカップは大きな大会ではないということでもあります。

もしもこの会見にまで通訳サービスがしっかりするようになる日が来れば、そのときはアジアのサッカーの地位が向上したということかもしれません。

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