今日書き残しておきたいこと
正月早々、一人のカメラマンが沈んでいました。聞くと、どうやら親戚にご不幸があったとのこと。彼は清水が大好きなカメラマンで、天皇杯の決勝を撮ってから駆けつけるということでした。
きっと彼をかわいがってくれた方だったのだと思います。いつも陽気な人物の顔がずっと曇っています。
試合後、彼は力なく立ち尽くしていました。そこに鹿島のオリヴェイラ監督が通りかかりました。
そのとき、彼はゆっくりと拍手をしてオリヴェイラ監督を讃えました。オリヴェイラ監督は彼を見て、もしかしたら何か感じたのかもしれません。それまでの笑顔を急に引き締めて、そして小さく会釈をして通り過ぎました。
カメラマンには研ぎ澄まされた人がたくさんいます。一瞬を撮れなければ、それでその日の仕事はパァ。だから精神的にタフになるのはわかります。
ですが、あのとき拍手ができるというのは、タフな上に懐も深い。それから、それに気付いただろうオリヴェイラ監督の人をくみ取る気持ちの深さも。正月早々、ああいう人間でありたいと思わせてくれる光景でした。