横浜FCvs岡山 三浦知良選手最初の囲み
後半44分に登場して、アディショナルタイムは3分。パスはなかなか行かず、次第にスローインからボールをどうキープするかという場面が続きました。そして相手ボールになったとき、すかさず前線からプレスをかけたら、岡山の選手はたまらずGKに戻そうとします。そこにいたのは三浦知良選手。慌てるGKと岡山の選手2人を冷静に見て、誰も触れないところに左足で蹴り込みました。
一斉に湧き上がる歓喜の声。試合の時よりも早いんじゃないかと思うチームメイトのダッシュと選手たちのおしくらまんじゅう。三浦知良選手は味方にもみくちゃにされていました。
試合後、十分に体のメンテナンスをして出てきた三浦知良選手のコメントは以下のとおりです。この中で語られている、ゴール前でフリーの状態の時に相手との間に何が起き、どんな心理状態になるのかというのは、サッカーをプレーする人の参考になると思います。
また、ゴールを挙げたものの、三浦知良選手はこの3年間、ゴールとはまるで別のことを考えていたということも分かりました。そこを気にしていたとは。
ところでこの公式の会見の後、車の前での囲み取材もありました。ですが、そちらの内容は、その記事を有料で出していらっしゃる方々が自分で質問して集めた内容ですので、ここでは掲載しません。試合内容と併せて、神奈川新聞さんや、佐藤拓也さんの記事できっと読めるものだと思います。
では、最初の会見の詳細は以下のとおりでした(質問の部分は要約してあります)。
「ラッキーでした。相手からのパスというか、それでも、落ち着いて蹴れたというか、力も抜けていたんでね。いいところに、狙ったところに飛んでいきましたね」
——あの時間帯は前に残っていたので予想どおりだったのですか。
「エデルがどちらかというと引きぎみになるんで、その時は前にいてくれということを監督に言われていたんで、それを意識してエデルの位置を見ながら。あの場面では前でキープする、スローインの場面が続いたので、前でキープすることを心がけてボールがあそこにおさまって。ホベルトとエデルと柳沢がいたと思うんですけど、相手はプレッシャーを掛けられて、GKに戻した球だったと思うんですよね。
——それはある意味で狙っていたという部分ですね。
「前でとにかく、最終的にはもう1点取れるようなら取れというようなことを、岸野監督が言って送り出されたので」
——こういうゴールは珍しいですか?
「どうですかね。でもたまにラッキーなゴールはありますけど、そうあるもんでもないですけど、自分も経験してきて、、ああいうのが必ず入るかというと、焦ってしまったりとか、自分も外したことがありますし、相手が目に入るんでね。GKとDF2人が戻ってきたんで、ああいうときはゴールを守ろうとして自分にはあまりこないんですよ、プレッシャーは。それでゴールを守ろうとするからスペースがなく感じるですね。でもうまく、そこをキックの、自分が思ったところに飛んで行ってくれたんでね。一番いいところに飛んで行ってくれたと思いますよ、ちょうど抜けていくのも見えましたから」
——流し込もうと思ったのはいつですか?
「GKの位置とDFの戻ってくるタイミングでこっちのほうがいいだろうなと、GKは絶対に入れられないようにしていますから、あの感じならこっちに流し込むのが一番いいかなと。なんと説明していいか、本能的なものだったと思いますけど」
——監督は栃木線の最後に守りに入ったのを修正するのもあって投入したとおっしゃっていましたが。
「でもあの時間帯に入ったら、まずは1-0で終わらせるのもあると思うんです。まずは入れられてはいけないという。で、チャンスがあればああいうふうに。でも1-0で逃げ切るのが一番いいし、今日は結果的に2-0になりましたけど、1-0で終わらせるのがまず一番の仕事だと思いますけど。2点目を取るというよりもね」
——ゴールでみんな盛り上がりました。
「一番嬉しかったのは、チームメイトが全員ベンチから出てきてくれて祝福してくれたという。それとサポーターの声援と一体感がホントに。なかなかああいう雰囲気になれるということは珍しいと思うんでね。生意気を言わせてもらうと、長くやってきて、点でこういう雰囲気にさせられるのも自分たちだけだなと思いますけどね。ちょっと生意気言ってすみません。
——これで最年長記録も伸ばしました。
「記録はね、あまり気にせず。去年も一昨年も最年長ゴールとなりましたけど、実際に勝っていないので、今回久しぶりに自分のゴールで勝てたので良かったです」