横浜FMvs鹿島 試合取材でオリヴェイラ監督が語らなかったことと語ったこと

前半は両チームとも持ち味をしっかり出せたと思います。特に横浜FMは現時点での選手のコンディションを考えた戦いぶりで、同点に追いつけるところはさすがに能力が高いと思わせてくれました。

ですが、実はこの試合展開をオズワルドオリヴェイラ監督は得意にしていると思います。というのも、オリヴェイラ監督はハーフタイムにチームを修正するのがうまいんです。この日の記者会見でもどうやったのか質問してヒントを教えてもらいましたが、なるほど、そこだったのかと思わせてもらいました。

実は記者会見終了後にもうちょっとだけ具体的な話を聞いたのですが、「これはまだ今後試合もあるから」とオフレコ扱いです。ただ、聞いたらちゃんと答えてくれるというところに懐の広さを感じます。

で、この日のオリヴェイラ監督の記者会見で質問が終わった後、監督がおもむろに口を開きました。内容は審判について。趣旨は「どうして試合開始から10分間はイエローカードを出さずに、そのあと立て続けに出すのか。鹿島の選手はその10分間にファウルを受けて、おなじ基準のことをそのあとやると警告をもらう。これは今日に限ったことではなく、昨季からずっとだ。それにシーズン前の審判講習会で今季の基準を説明してもらうが、シーズンが始まってしばらくすると元に戻っている」ということでした。

この点についても記者会見後に話を聞いたのですが、「たぶん今日発言したことでみなさんは次の試合からもっと意識して見ていただけるでしょう。負けたときにこの発言をしても言い訳だとしか思われないから今日発言しました」ということでした。

審判の問題は日本でタブー視される傾向が強いと思います。審判についての発言は掲載されなかったりします。ですが、たとえばJリーグの公式サイトで、広島vs清水の判定について見解が発表されているように、批判が起きてもちゃんとそれについて反論することで、この問題はもっと改善するのではないでしょうか。スカパー!が昨シーズン終了後、審判問題についてちゃんとレフェリーたちの発言を収録して放送していました。あの番組を見て分かったという人も多かったと思います。

現在の一番の問題は、問題が存在しても議論しないことではないでしょうか。それではたして健全な理解が進むのか。僕はそうではないと思います。

もちろん、議論のためには冷静さが必要だと思います。ただ、昔自分が専門誌で審判の特集をやったとき、読者さんたちからの反応は非常に感情の抑制が効いたものばかりでした。

その特集は、1回目が審判の講習会がどんな仕組みで行われているか、 2回目は岡田主審のインタビュー、3回目は読者からの判定に対する疑問に岡田主審に答えていただくという内容でした。

残念だったのは、3回目をやった後に「審判が答えるというのはFIFAでやっていないから」という (これは口頭だったので記憶の範囲ですが)ことで連載が中止になったこと。当時、ドイツでは審判が自分の判定について試合後に話してもいいという規定に代わりつつある頃でしたが、まだ審判が語るというのは一般的ではなかったため、ちょっとハードルが高かったと思います。

ところが今はJリーグが自身のホームページで見解を示す時代です。 そろそろ健全に論議をしていってもいいのではないでしょうかね。

Follow me!

未分類

前の記事

川崎vs神戸 試合取材
未分類

次の記事

東京Vvs甲府 試合取材