横浜FMvsC大阪 取材
ハラハラドキドキのない80分間でした。
試合が面白くなってきたのはそのあと。
そこまで交代選手を誰も使っていなかったクルピ監督は藤本選手と家長選手の投入準備をします。2人がユニフォームになってさあ、というとき、木村監督が81分、先に最後のカード、中村選手を投入しました。 クルピ監督は一度交代を取り下げます。そしてちょっとだけ戦況を見て、83分、藤本選手だけを投入しました。
クルピ監督は次に播戸選手を呼びます。家長選手と播戸選手の2人を投入か、と見せておいて、今度は播戸選手を呼び止めました。そしてすぐに黒木選手に声をかけます。86分、家長選手だけを投入。そして87分、黒木選手を入れてこの日の最後の策としました。
クルピ監督の状況判断はベンチワークに如実に出ました。それでも、昔の守備で粘れないC大阪とはちょっと違う気がします。
木村監督の采配は、中村選手の投入については、投入そのものがC大阪の攻撃の姿勢を一度遅らせたという面もあったので、相手を見て投入したのかどうか聞きたくもあったのですが、選手取材のため木村監督の記者会見には行けませんでした。残念。
こんなとき、一番いらつくのは播戸選手のはずです。ずっとアップして、ユニフォームだけになってさあ出番だというところでストップされてしまったわけですから、試合に向けてテンションを上げていればいるだけ覚ますのが大変ではないかと思います。
ところがロッカールームから出てきた播戸選手は淡々としていました。そう言えば、ワールドユースの時、なかなか出番が来なくても決して腐らず、みんなを盛り上げていたという当時の播戸選手の写真を見たことがあります。 これまでくぐった修羅場が違うということなのでしょう。
木村監督の記者会見に出た記者に話を聞いたら、「今日は監督の嘆きがすごくて、誰もいろんなことを質問できませんでしたよ」とのこと。それも木村監督の技なのか。
とまあ、その実、これが一番盛り上がったと思えるような試合は困ったものなのですけど。