YSCC横浜vs鳥取 先週とは見違えるファイトを見せた横浜

スタジアムに行くと、こんな看板が迎えてくれます。
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O・M・T・E・N・A・S・H・I?
いいですね! 思い出しているのは、横浜FCができたころの手作り感です。癒されるなぁ。サガン鳥栖ができたころは、こうこともできないくらい人手がなかったのですが、横浜はたくさんの人が関係しているのだと感じます。

さて、試合ではYSCC横浜が「先週のゲームって何だったの?」と言いたくなるくらい変貌していました。 鳥取を相手にしつこくプレッシャーをかけ、しっかりとパスを繋ぎます。立ち上がりから20分まではYSCC横浜の時間でした。

そこから鳥取が押し返します。 決定機も作るのですが、そこは横浜がギリギリで凌ぎました。その流れのまま後半を迎え、今度は鳥取のプレッシャーが横浜を苦しめました。

横浜が反撃できたのはセットプレーがあったから。前半からCK、FKを生かして度々チャンス以上決定機未満を作ります。しかし、最後は決まりません。散々チャンスを作りながら決められないと、最後はサッカーの神様が相手にゴールをプレゼンとします。これは横浜にとって嫌な流れ……と思っていた81分。FKからペナルティエリア内で反則があったとして横浜がPKを得ます。

これをエルサムニー・オサマが決め、ついに横浜がリードしました。その後は必死の反撃を見せる鳥取を何とか凌ぎきり、横浜が勝利。最下位に沈む横浜にとって、これが今季初めてのホーム戦の勝利でした。

この逃げ切るための時間は、本当に横浜の選手はパニックになりかけていたのではないかと思います。オサマがCK付近でボールをキープさせようと味方に出したボールを、せっかくスペースに走り込んだ選手はオサマに戻してしまうし、他にも反撃を受けそうな所に蹴り出してしまうし。

そんな思いをしながら勝ち取った一勝でしたから、これはうれしかったでしょう。いつも勝っているチームには、この喜びはわからないだろうなぁ。

ところで、この試合の前に有馬賢二監督と話をさせていただいたとき、「前半15分までは押し込めると思う。そこから一進一退だろう」とおっしゃっていました。確かにそのとおりの展開で、監督はどこまで読み切っているのかと感心させられました。

ちょっと話が脇道に逸れますが、こうやって試合前に監督の話を聞けることは、試合を見るときの理解度をとても高めてくれます。監督がやろうとしていることを選手が出来るのか、あるいは監督の読みが間違ったのか。練習を見て監督の意図を読み解くのと同じくらい、サッカーに対する見方を増やしてくれます。

昔は話してくれる監督がたくさんいらっしゃいました。特にスティーブ・ペリマン監督は、相手の長所と弱点、自分たちの今日のプレーの狙いなどを包み隠さず教えてくれました。他にも、ゲルト・エンゲルス監督や早野宏史監督などは、こちらの知識を増やすような情報を常に提供してくださっていました。

今は試合前になかなか監督とは接触できなくなってきました。試合前に、わざわざそういう場を設けてくれるFC東京のような素晴らしい例外はありますが、FC東京以外に僕は知りません(FC東京の試合に行くときは、なぜか相手にチームについて書かなければいけないことが多いので、あえて僕はその場に参加しないようにしています)。書き手が正確に情報を伝えられるようになるため、ぜひFC東京のような例外が増えてくれればと思います。

閑話休題。この日の鳥取に足りないものは、松波正信監督並みにゴールを決める選手でしょう。押し返した時間で一点を奪えれば、試合の様相はたちまち変わったと思います。鳥取としても最下位相手に勝利を収められなかったのは残念だったでしょうが、そこまで悲観するほどのことでもありませんでした。何よりこの日は下位に沈んでいるチームがすべて勝つという「下克上」の日。こういう日もときどきありますよね。
 

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