柏vs水原三星 1点の重みに心震えた試合
ACLラウンド16第2戦、水原三星をホームに迎えた柏は、1点差以内の負け以上でベスト8進出決定です。アウェイの3-2という勝利で有利に試合を進めることができると思ったのですが……。
勝つしかない水原三星が前半開始早々から攻め込みます。序盤の攻防が落ち着いたところで柏がじわりと攻め返し、主導権を握り返したところで試合は膠着状態になるかと思いました。ですが26分、鄭大世が絶妙なトラップから反転し、豪快なゴールを決めたことで試合の緊張感は一気に高まりました。
あと1点取れば水原三星の勝ち残り。柏が1点を取れば水原三星はさらに2点を取らなければいけなくなり、追い込まれます。
すると54分、水原三星が追加点を奪い、ついに柏を追い詰めました。ところが柏も65分、小林祐介のゴールで1点差とし、再び一歩リードします。
そこから残り25分+アディショナルタイムの3分間、水原三星は1点を奪ってベスト8の座を掴もうと猛攻撃をみせました。柏は耐えつつ、同点ゴールを狙って攻め返します。
この25分間、韓国から来た記者は席に座っていられず、後ろでずっと立ち戦況を見守っていました。日本人の記者の中にも、その横に立って「あぁ!」などと声を出している人もいます。普段のリーグ戦では見られない、1点の重みがありました。そしてナビスコカップとは違って国際試合というのも試合に濃い味をつけてくれる要素となっていました。
結局試合はそのままのスコアでタイムアップ。1-2と負けたものの柏がベスト8に駒を進めました。韓国の記者が目の前の席にがっくりと座り込むのを見て、少し胸に来るものがありました。
記者会見場で話しかけると、日本語が話せる記者の人が「私が通訳させていただきます」とさっと寄ってきてくれました。その丁寧な言葉遣いに感謝しつつ、素晴らしい試合だったことを告げ、またどこかでお会いしましょうと伝えてしっかりと握手。
試合が終わった後に、両チームの健闘をたたえ合えるって、本当にスポーツはありがたいと思います。
その感激のまま、家路についたらADカードを首からぶら下げたまま!! 柏の広報さん、ごめんなさい!!