これまでになかった公開練習
日本代表は昨日移動し、今日は横浜での公開練習。ヤマザキナビスコカップに行くかどうか迷ったのですが、思い切って練習取材に行き、驚きました。
16時56分に集合し、縦20メートル間隔で並んだ3人の選手間でのパス交換、 両端の選手を12メートル動かしてのパス交換、12メートル×16.5メートルのエリアでの5対3、6対3、2人1組で40メートルのパス交換と進み、水分補給をしたのが17時39分。そこからアギーレ監督が実際に練習を指揮し始めます。アギーレ監督の指導は初めて生で見ることができました。
2チームに分かれてのシャドープレー、ゲーム形式の確認と、アギーレ監督は狙いをハッキリと示し、どうやってトレーニングしているのか見せてくれました。
詳細について現段階ではここで書くことを控えますが、ウルグアイ戦で示した方向性とともに、何をやろうとしているのか、どこがまだできていないのか、というのは今日の練習で明らかになりました。
ここまでアギーレ監督のチーム作りがファルカン監督時代に似ているのではないかと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。攻撃においては動く方向が多少違うものの、確かにザッケローニ監督が浸透させた攻撃の考え方と同じで、守備は相手のカウンターを受けにくくなっていると思います。
選手を褒めたり笑わせたり、プレッシャーをかけたりというアギーレ監督の掌握術も垣間見た気がします。正直に言って、ここまでハッキリ見せてもらえるとは思いませんでした。
実はアギーレ監督が就任してから日本サッカー協会の関係者に会う度に「練習を公開にしてほしい」としつこく言ってきました。日本のサッカーに大きな影響を与える代表チームが、どの方向に進もうとしているのかをみんなが知ることは大切だと思うからです。きっと他からもそんな声がたくさん上がっていたのだと思います。そしてそういう要望を協会がアギーレ監督に伝えてくれたのではないでしょうか。
ウルグアイ戦と今日の練習を踏まえながら9月2日の練習をもう一度振り返ると、攻撃だけではなくて守備の要素も含まれていることがわかりました。そして監督の狙いもわかった以上、選手が実践できないのか、実践できない要素は何なのか、どう改善していくのかなど、今後の代表チームを見ていく指針もおぼろげながらできたと思います。
昔、清水を率いていたスティーブ・ペリマン監督は、試合の直前に話を聞きに行くと、相手の分析結果、試合での狙いなど、詳しく教えてくれていました。おかげで試合中に自分がどんなところを観ればいいのか、とても参考になったものです。
今回もアギーレ監督に感謝したいと思います。 だからといって、ぬるく見守ってはいけないとも思っていますが。