【W杯】「ブラジルは親切なところなのよ」
サンパウロに到着したのが6時10分。ほぼ予定時間にぴったりで、ブラジルに対して抱いていた勝手な想像が次々に崩れていきます。
ホテルのチェックインは12時。それまでどこで過ごそうか、とバス停をウロウロしていたものの、別に行くところもなく、ドーナツが売っていたので食べてみたら生地がボロボロでちっともおいしくないのに1個300円もしてがっかりしてしまって、気力が削がれてしまいました。
仕方ないので、とりあえずホテルに向かいます。僕の泊まっている Cardim Plaza Hotel は病院に囲まれた坂道にあり、ビジネスホテルとしては申し分ありません。
事前にプリントアウトしておいた地図を頼りに無事たどり着けました。時間は8時。チェックインまでロビーで待たせてもらおう。他でウトウトするよりも安全だろう。きっとメディアセンターよりも。
フロントにはマダムがいました。
「おや、戻ってきたのだね」
「はい、12時までここにいていいですか?」
「何を言ってるの。部屋を用意してあげるわよ」
「ありがとうございます」
さっと若いホテルマンが対応してくれました。
「荷物はこれですね。朝食はどうなさいますか?」
「食べられるのですか? おいくら?」
「大丈夫、無料ですよ。お腹が減っているでしょう?」
最初にチェックインしたとき、マダムが「ブラジルは親切なところなのよ」とおっしゃっていた意味がよくわかりました。ありがとう、マダム。ツメもとってもステキです。