川崎vs貴州人和 貴州を圧倒した試合で見る大島の可能性
貴州の試合前のウォーミングアップは、ほぼ川崎と同じ。つまりサッカーの方向はパスサッカーを向いているのでしょう。ただし、川崎と違ったのはボール回しをするスペース。川崎のほうが貴州の三分の二ほどで、それは川崎のほうが完成度が高いことを意味しています。
入場してきた両チームの選手を比べると、貴州のプレーヤーのほうが明らかに大きな体をしています。ちなみにJリーグではしっかり身長と体重のデータがメンバー表に印刷されて出てくるのですが、国際試合ではないことも多く、あっても間違っていることが多々あります。そのため、平均身長の差などというデータが掲載できるのは、ごく一部の対戦になります。
試合が始まると、貴州は縦に早いサッカーを選択してきました。川崎は風間監督就任から推し進めてきたパスサッカーがさらに進歩しており、ほぼボールをキープして圧倒します。そのまま31分、レナトがFKを決めて川崎が先制しました。
貴州も39分、川崎の守備ラインの裏に抜け出しドリブルでゴールに迫りますが、登里が間一髪防ぎ、この試合での貴州の唯一の決定機を潰しました。
結局、その後は両チームともチャンスを演出することなく試合は終了。1-0でしたが、川崎の圧勝だったと言えるでしょう。ただし、それだけ試合を支配しつつ川崎はその後決定機をつくることができませんでした。 シーズンが始まったばかりでコンディションが上がっていないことも原因でしょうが、いつどうやってボールを縦に入れ勝負するのかという点はまだチームとしてできあがっていません。
この試合で良くも悪くも目立ったのは大島選手。守備ラインと中盤をつなぐ役をこなしていました。その役割は長く中村選手がこなしていた役で、大島選手が入ることで中村選手はもっと攻撃的な部分だけに専念できます。その点ではチームの骨格としてすでに必要になっているのですが、大島選手の能力から考えると、もっと攻撃にも参加できるはず。ゴールに対する意欲をこれからどれくらい見せてくれるでしょうか。
大島選手は試合後、「ヨシトさんから、もっと近くでプレーしろ。そうでないと今年は(大久保選手が)得点取れないよと言われました。反省しています」としんみり。ただ、そのことについて聞くと大久保選手は「アイツは間違いなくうまくなる」と太鼓判を押していました。この2人のホットラインも今年の楽しみの一つです。