川崎vs仙台 勝利が妙薬になるか・うれしい再会

試合後、GKの西部選手が語っていた台詞がこの試合の雰囲気を一番物語っていたでしょう。
「4-2なのに、こんなにハラハラさせるゲームになって申し訳ないと思います」

美しいゴールがたくさん見られました。先制点は自陣ペナルティアーク付近でパスカットしたレナト選手が仙台のペナルティアーク付近まで持ち上がり、レナト選手とほぼ同じポジションからフォローした大久保選手がクロスするところにノールックパス。大久保選手はそれだけの長距離を走りながらボールコントロールを乱すことなく、正確に止めてコースをついてゴールに流し込みました。

川崎の3点目はこれまた相手ボールをカットしたレナト選手が見事にボールを制御したボレーでゴールに放り込みました。4点目はこれまた大久保選手らしい、こぼれ球からのスピードのあるコントロールショットでした。

川崎はレナト選手と大久保選手の個人の力でゴールをこじ開けたと言えるでしょう。もっとも、仙台にとっては何か集中できていない間に、あれよあれよとゴールを奪われ、悔いが残る戦いぶりだったと思います。特に前半はパスミスが多く、さらに柳沢選手が絶妙の動きを見せているにもかかわらず縦のボールが出てこずに、自ら局面を詰まらせていました。もしも仙台が前半もっと慎重にプレーしていたら、もう少し仙台の失点は少なかったはずです。

川崎が自ら相手を崩してゴールを奪ったとは言えないかもしれません。むしろ、仙台のほうが後半赤嶺選手を投入し、サイドから崩してクロスを上げると明確にし、ペースを握ることができたと思います。それでも、ここしばらく川崎の選手たちの表情が次第に暗くなってきていると感じていたので、ともかく勝点3、リーグ戦で初めての勝利を挙げたことはムードを変えてくれるはずです。

ただ、負傷者の多さは気になるところです。この日、中村選手が欠場、レナト選手も前半で負傷退場し、太田選手との楽しいマッチアップを見せてくれていた登里選手も負傷して交代しました。川崎はまだまだ不安材料を抱えていると言えるはずです。 

ところで、この試合で懐かしい顔に会いました。

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写真の中央は仙台の高橋登さん。震災の時に様々なサポーターの活動をしていて、メディアにもたくさん取り上げられていたので覚えている方もいらっしゃると思います。あのころの思い詰めた顔は多少晴れていました。試合後、川崎のサポーターと交流するということでした。そして川崎のサポーターは気仙沼から送ってもらったミサンガを配布し、仙台への募金を募っていました。別のチームをサポートしているのだから試合の勝敗はありますが、同じサッカーの仲間としてお互いを支え合えるというのは、幸せなことです。 

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