東京Vvs栃木 中島選手のハットトリックが示したもの
前半、中島選手のゴールで東京Vが1-0とリードしますが、栃木は後半早々に同点に追いつきます。ドラマはここからでした。58分、62分と中島選手は立て続けにゴールを決め、ハットトリックを達成します。そしてこれが18歳、Jリーグ最年少ハットトリック記録更新の瞬間でした。
伏線は16分の中島選手の最初のゴールが決まる前の時間帯にありました。15分までに2回、ペナルティエリアに入る前にボールを受けた中島選手は強引にシュートを放ちます。ですがとても入るような距離でもパワーでもなく、しかもどちらもフリーの選手がパスをもらおうと動いていました。さすがに2回目はキャプテンの森選手も中島選手に激しく(文句)アドバイスをし、ベンチにも中島選手に指示を出すようアピールしていました。
試合後、森選手は「あいつは大丈夫。絶対にくじけない」と中島選手について教えてくれました。そしてその言葉どおり、中島選手はその後もプレーをためらうことなく前に進んでいきます。16分のゴールが生まれた後は東京Vの雰囲気も変わってきました。調子が良さそうだから、ボールを集めようという流れになり、そのことがハットトリックを生んだのかもしれません。その切り替えの速さと、怖じ気づかない選手というのが東京Vの特長でしょう。
一方の栃木は、しっかりブロックを作って、その前で東京Vにボール回しさせ、ブロックの中にボールが入ってきたときに奪おうとします。ですが、東京Vがうまく相手選手を食いつかせて、ファーストDFとそのカバーの選手を動かせてしまうので、流石のブロックにも小さな振動が加わり、最後は崩れ去ってしまいました。監督の戦術が浸透できなかったか、あるいは東京Vに対しては戦術の見直しを図らなければならなかったのか、どちらとも言えたと思います。少なくとも4失点は栃木のサッカーではありませんでした。
さて、これで東京Vの復活なるでしょうか。残り3試合、まだまだドラマチックな場面が続きそうです。