女子関東大会3日目 絶体絶命のときに輝いた一番星

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(C)Takano Koji

前半22分、セットプレー崩れから中央に再度折り返されると誰もマーカーがいませんでした。2日目に続いてノジマステラが先に点を失います。浦和レッズレディースユースは焦るノジマステラのマークのずれを見逃さず、丁寧にパスをつないで攻め込んできます。ノジマステラは前半40分、相手パスのカットから井上選手がシュートを放ちますが、相手にブロックされて得点になりませんでした。

ハーフタイム、ノジマステラのベンチの裏で取材していたため、監督の指示を聞くことができました。話の内容は守備が1点、攻撃が2点でした。菅野監督の落ち着いた口調はこういう苦しいときに勇気を与えます。選手たちは最初固くじっと聞き入っていましたが、次第に肩が降りてきていました。

後半14分、ペナルティエリア右のゴールラインまであと2メートル前後というところでFKを得ます。いつものとおりセットプレーを任されているのは吉見選手。前日、決勝点を挙げた勢いは残っていました。「誰かが触ればゴールになるし、触らなくてもゴールに飛び込む」というコースを狙ったシュートは見事に直接ネットを揺らします。

勢いづくノジマステラは前日同様畳みかけようとしますが、浦和は落ち着いてもう一度試合を組みたてようとします。またも一進一退。そこでまたノジマステラの19歳が輝きました。後半27分、左に流れた河原崎選手のクロスをトラップすると、素早く詰めてくる相手にボールを浮かしてかわし進みます。これを思わず浦和の選手たち挟んでしまい、PKとなったのです。

このPKを蹴るのは吉見選手。「2週間前から練習してきて、GKをよく見て蹴ろうと思っていた」とじっくり相手の飛ぶ方向を観察し、右隅にグラウンダーで流し込むように決めました。それにしても、この場面で何という落ち着きなのか。

実は前日の試合後、コーチから「シュートは当たり損ないだった」とからかわれた吉見選手は「明日を見とけよ!!」と反撃したそうです。言葉どおりの活躍でした。

その後、浦和の必死の反撃をノジマステラは何とか凌ぎました。そしてついにタイムアップ。これで関東大会決勝進出です。そしてベスト2になったということで、チャレンジリーグ参入決定戦への参加資格を得ました。神奈川県代表になる最初のハードルに続き、2番目のハードルも越えたのです。

試合後、菅野監督はさすがにホッとした表情でした。「この3日間での選手の成長を感じることができた」とおっしゃっていましたが、実際に試合内容を考えてみても格段の進歩だったと思います。

さて、このノジマステラのコーナーで追い続けている山内さん。この3日間で本当に頬がこけていらっしゃいました。今日は得意のジョークもほとんど出ず、じっと試合に集中していらっしゃいます。それでも、

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試合前にカメラを向けるとすぐ選手を前に出してプレーヤーをアピール。

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試合後は「本当に寿命が縮まった」とおっしゃっていました。

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試合後もなかなか緊張が抜けないようでした。笑顔とともに疲れも出たように見えました。どうかご自愛ください。

そして!!

報道カメラマンの高野宏治さんがこの日の写真を一般公開していらっしゃいます。

コンタクトシート-001

 ノジマステラでチーム創設後最初のゴールを挙げた古市選手は、その後負傷し、今シーズンはずっとリハビリをしていました。この日も1人ウォーキングをしたり、道具を用意したり、本当に辛いと思います。彼女がみんながアップしている横で痛いストレッチをしている写真などもあります。そしてその彼女に話しかけている菅野監督の写真も。

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