川崎vs神戸 勝利をモノにした神戸に「イタさは強さ」を見た
停滞気味の試合が動いたのは74分。パスを稲本選手と縺れながら受けた都倉選手が振り切り、ペナルティエリアの前に進出したときでした。思い切り左足を振り抜くと味方がブラインドになっていた西部選手は一歩も動けず、ボールはネットに突き刺さりました。ネットに当たってもなお上に浮かび上がりそうになっているほどの強烈さで、さすが見た目はイタリア系優男、でもプレーは不思議とパワータイプという都倉選手らしい豪快なゴールでした。
都倉選手はユニフォームを脱ぎ捨てると腰のところに手を持って行き、ボディビルダーのポーズをしました。もちろん、イタリアのバロテッリ選手の真似です。でもきっと悪態はついていなかったと思います。
神戸は最後に3バックに変えて守りきりました。あとで伊野波選手に聞いたところ、練習ではやっていないとのこと。もしかして、イタリアの3バックと4バックの併用から西野監督がヒントを得たのでしょうか。そんな訳ないか。ただ、西野監督のベンチ前でのたたずまいは、イタリア的かっこよさがありますね。ちょっとこじつけだけど。
ってことで、「イタ(リア)さは強さ! はいっ!」という感じの神戸の勝利でした。ちょうどこの日の前夜、この台詞を言う大好きなドラマが終わってしまったので、無理矢理結びつけて書いておきます。あの番組はクリエイターの意地が詰め込まれていて大傑作だと思うのですが、わずか1クールって寂しいなぁ。
さて、このミドルシュートが偶然かというと、それではなかったと思います。この日の川崎はCBがあまり上がりませんでした。それが意図的だったかどうかは不明ですが、そのためにボランチとCBの間にスペースが生じ、そこから都倉選手のシュートが決まったのです。もう少しラインが前だったら、稲本選手がかわされてシュート体勢に持ち込まれるまでに対応できたのではないかと思います。
一方の神戸ですが、これまた伊野波選手によれば「西野監督はモチベーションの高めかたが抜群」にうまいということです。そして高木選手がいてCBも常に競争状態で気が抜けないとのことでした。その緊張感を高める方法として、たとえば今週の水曜日にナビスコカップがあった翌日の練習でみんなは軽めの練習を予想していたのに、いきなり紅白戦をして選手を試す、という方法論を採ったとのことでした。
神戸はこれまで監督が次々に代わり、そのたびに大きく幅が振れてきましたが、今回の西野監督が名将であることは間違いありません。となると、これで神戸が上昇するためにはいかに監督をサポートしてあげられるかということになると思います。