鹿島vs川崎 血を流しながらの引き分け

始まりは川崎、横山の負傷でした。22分、うずくまった横山に駆けつけたスタッフから×印が出され、急いで薗田が用意します。そしてその9分後、縦のフィードをカットしようとした薗田が鹿島の田代にかっさらわれ、ゴールを許してしまいます。

さらに45+1分、野沢のFKがこぼれるところを中田が蹴り込んで鹿島が絶妙な時間に2点目を挙げました。

サッカーでは2点差が危ないと言われることがあります。負けているほうは1点を奪うと勢いに乗るから、というのです。ですが前半の鹿島はレベルの高さを見せつけて川崎をあざ笑うようなプレーを続けていました。ボールどころか体にも触らせないというパス交換で度々川崎のパニックを誘っていました。特に増田はいいパスを供給するだけでなく巾広いエリアをカバーして鹿島の円陣になっていました。

後半も鹿島ペースで試合が始まります。56分、薗田が後ろからのヘディングのチャージで警告され、さらに59分、ペナルティエリアに進入しようとしている相手を引っかけて2枚目の警告を受け、退場になってしまいました。

相馬監督は日本代表の柴崎に代え、實藤を投入します。確かに稲本がキレキレだったので代えるとしたらそこしかなかったでしょう。2トップのうちジュニーニョをサイドに下げた4-4-1にしました。

鹿島は攻め続けます。ところが65分を過ぎるとオーバーペースがたたったのか運動量にかげりが見えました。そしてディフェンスとボランチの距離が曖昧になり始め、70分、川崎の田中に1点を返されました。オズワルド・オリヴェイラ監督はすぐに手を打ちます。72分、本山と小笠原を投入して試合を落ち着かせようとしました。ところが小笠原にキレがなく、2回ボールを奪われてピンチを招き、そのうちの1回、90分はとうとうゴールが決まったかと思えました。ところが副審は認めたものの最後に矢島が触っていたのが見えなかったようで、いいポジションで見ていた主審がゴールを取り消しました。

それでも鹿島は逃げ切れません。CKからこぼれたところを絶好調の小林に決められてとうとう同点となり、試合は2-2で終了しました。

試合後、薗田選手はさっとパスに乗り込みカーテンを閉め、アジア大会でチームメイトだった選手たちの電話にも出ませんでした。オズワルド・オリヴェイラ監督は出口から小走りでバスに乗り込み、そのあとはモニターを眺めたままでした。勝ち点1をわけあったのですが、ともに血を流しながら得た勝ち点になってしまいました。

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