【遠征日記 4】おい、ラモス!!
相馬市でコンビニに入りました。
ラモス瑠偉さんはかごを持つとアイスクリームのケースの前へ。無造作に手を突っ込むと、3つ4つずついろいろな種類のアイスクリームをかごに放り込みます。たちまちかごが一杯になりました。ラモスさんはその精算を済ませると、今度は別のかごを持ってお菓子の前にたたずんでいます。しばらく動きを止めていたのですが、すっとしゃがみ込んでアンパンマンのチョコレートを手に取りました。
左手でどっさり掴むと数え始めます。 「9、10、11」。右手で5つ掴んで「12、13、14、15、16」。ラモスさんはその16個をかごに入れると、急にまだ売り場に残っていたアンパンマンチョコレートを1つだけ残して全部掴んでかごに入れました。数えた意味ないじゃーん。そしてこの行動が何かのスイッチになったように、その近くにあったお菓子を手当たり次第にかごに入れ、かごが満杯になるとまた別のかごに入れ、ギラギラとした目でもう何も買うものがないというのを確認し、驚くコンビニの店員さんににっこり微笑んで店を出ました。
向かった先は相馬市の避難所でした。子どもたちが帰ってくる時間に合わせての訪問です。
三々五々帰ってきた子どもたちは、ラモスさんを見つけると
「あ、ラモスじゃん!!」「おい、ラモス!!」
おいおい、呼び捨てかよ(笑)。ところがラモスさんは笑顔一杯で対応しています。
そしてみんなにボールをプレゼントして、
妙技を披露!! 子どもたち何人に囲まれても決してボールを渡さず、浮かしたり足の間を通したりテクニックを見せていたのですが、子どもたちは感心もせずひたすら追いかけていました。ラモスさん本当に楽しそう。
ラモスさんの訪問は、決して物資を届けたり食事を提供したりするのだけではなく、そこにいる人たちと触れ合うことが目的なのだと知りました。子どもの顔にペンでいたずら書きしたりというヤンチャぶりも発揮して、子どもの仲間になってひとときを過ごしていました。
別れの時間になって子どもたちは寂しそうだったのですが、それでも振り切れたのは毎月来ているからという安心感があったからでしょう。ですがこの相馬市の避難所にいる方々も、もうすぐみんな仮設住宅に移るそうです。どうかみんなと再会できますように。
さて、福島からまた宮城県を縦に移動して明日の訪問地、石巻市で宿を探します。ところが近隣まで含めてほとんどのホテルは他の行政地区からの支援職員用に予約されていて泊まる場所がありません。なので仙台まで戻って宿泊することになりました。みんなで食事をして部屋に戻ったのが22時過ぎ。橋村さんの顔からは疲労の色以外見えません。