【遠征日記 3】刷り込まれている風景

気仙沼を後にして向かったのは福井県の相馬市です。気仙沼から相馬に行くということは宮城県を縦断することになります。食事をする時間はありません。車の中でパンをかじりながら目的地に向かいます。気仙沼での滞在時間は、想定外に短くなってしまったため、橋村さんはあまり休憩を取らずにもう10時間ほど車を走らせていて次第に疲労の色が見えてきました。

相馬市に入ると、まだ復旧していない道路もありました。そしてその道路の横には、
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外観だけが残った郵便局がありました。外観だけでも残っているのはいいほうです。
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ほとんどは何も残っていません。

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頑丈なトイレも壊れていないものの土台を失っていました。
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形が残っている車もありましたが、よくみないと車だとわからないものもたくさん転がっていました。

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道路が封鎖されていたため歩いてやってきたのが、
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松川浦大橋です。

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何もない風景が広がります。
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ぽつんと残された建物にはなぜか見覚えがありました。

この場所は、動画投稿サイトなどにアップロードされた、あの30メートルの高さがあると言われた津波が襲った場所でした。その動画の衝撃が強く心に残っていたため、初めて訪問した場所なのに見覚えがある気がしていたのです。

何度も動画を見たわけではないのに、自分の中に刷り込まれていたのだと思います。きっと僕と同じ気持ちになる人も多いことでしょう。そのまま町の中を走ると、同じように刷り込まれている景色があります。

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海の中にバスが沈んでいます。
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流されたお土産屋さんも残っています。

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流されたなかった店も中味はありません。
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すべてのものがゆがんでいます。足下には海水が迫ります。

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そして海水のないところに船がありました。

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