川崎vsG大阪 劇的なFK
2試合消化が少なく、実はこの試合の前までリーグ戦では1敗しかしていないのがG大阪です。ACL組は順位だけ見ているとだまされてしまいそうです。もっとも大雨の悪コンディションでACLからは中3日。等々力は5勝1分10敗と相性のよくない場所(ヴェルディとの対戦も含む)ですが、そんなデータ以上に体力消耗が大変な試合になりそうでした。もっともホームチームも復調しつつあった川崎の太陽ジュニーニョが前節で負傷し、万全とは言い難い状態です。
それでもザッケローニ監督が視察に訪れ、川島選手と鄭大世選手も帰国して顔を出し、報道陣も記者室が溢れるほど集まった試合になりました。
試合は後半に入って動きました。51分、G大阪がPKを遠藤選手が——ではなくてアドリアーノ選手が決めて先制します。その10分後、川崎の中村選手がペナルティエリア左外からゴール右へとミドルシュートを突き刺して同点。さらにアディショナルタイム4分が過ぎたところで中村選手がFKを直接沈めて、川崎が劇的な勝利を収めました。
毎度劇的な川崎劇場が再演されて、ホームの観客は熱狂の渦です。土砂降りの雨でしたし、川崎は集客規模に比べてスタジアムの施設が貧弱なのですが、これは次回も来たいと思ってもらえたでしょうね。
G大阪、期待の宇佐美選手は中盤左やトップ下でプレーしたのですが、まだ波が大きいのは確かです。それでも才能の高さはギラギラと見せていました。川崎の初代表選出となった柴崎選手、この日は地味な役に徹していましたが、相変わらず気の利いたポジションに現れて味方の連動をスムーズにします。物質と物質の間を埋める液体のような役割で、その重要度は東京Vでプレーしていたときと変わっていません。
ちょっと心配なのはG大阪で、かつてはどんな相手もパス回しで振り回せていたのに、簡単なパスのミスが続くようになっていました。疲労度が高かったのでしょうか、それともACL敗退のショックが大きかったのか……。