湘南vs横浜FC 両チームは何と戦っていたか
強風のせいで前後半の攻守がはっきり入れ代わるゲームになりました。
前半、風上に立った横浜FCが開始早々攻め込みます。右サイドから思い切りよく切り込んだ荒堀選手が思い切りよく蹴り込み、開始わずか40秒で横浜FCが先制点を挙げました。前節の鳥栖戦では開始1分で失点している横浜FCにとって、ちょうど逆の展開になったと言えるでしょう。
ホームの湘南は反撃しようとしますが、フィードのボールがすべて押し戻されるために守備ラインを上げられません。そのため各ラインの距離が開きすぎて横浜FCにカットされることとなり、好機を作れないまま前半を終了します。
後半に入ると、今度は風上に立った湘南が攻め込みます。じわりじわりと横浜FCを追い詰めていきますが、ペナルティエリア付近に来ると急にアイデアに乏しくなり、なかなかいい形でのフィニッシュを迎えられません。アジエル選手が警戒されており、坂本選手がうまくアクセントをつけていたのですが、途中のシステム変更でボランチに下がったため、トップ付近に運んだボールをどうするかという課題がはっきりと見えてしまいました。
ところで、この試合の特に前半は、横浜FCの厳しいチャージに湘南の選手がよく倒されました。前半の直接FKが横浜FCの6に対して湘南は12、後半を見ても横浜FCが8で湘南10です。また警告も湘南0に対して横浜FCは3人に出されています。
横浜FCの岸野イズムの根幹である「戦う」という姿勢をチームが思い出したということでしょう。1週間の練習を対人プレーに費やしたことが、FK数、警告数、それからスコアに現れたのだと思います。もっとも「ファウルが多すぎた」と岸野監督がおっしゃっていたので、修正はあるでしょうし、なければ出場停止が大量に出そうです。それに、横浜FCは勝ったとは言え、まだ実力を発揮したとは言えません。昨季のチームからホベルトを抜かれたボランチの調整が続きそうです。
一方、湘南のGK、西部選手は強風に本当にやりにくそうでした。今季加わったため、まだホームグラウンドの特性を掴んでいるという感じではないでしょうか。それでも感心したのは、試合後のクールダウンに出て行くときや、その後もとことんファンサービスをしていたこと。負けた後ですから一生懸命謝りながら、サインなどの対応をずっとしていました。もちろん、出会い頭の失点はあったものの、その後の安定感はすばらしく、プレーぶりは衰えていません。湘南のゴール前は楽しみです。