【闘病日記】病院って安らかな場所じゃない

前日夜、「今日は歩いたし、結構すごいペースで回復してんじゃね?」と自己満足に浸りつつ過ごしていると、夜勤の看護婦Tさんが現れておっしゃいました。

「パイプ取った後に排尿していませんね」

実は行ったのですが、出そうとするとパイプを抜いたときの痛みが再び襲ってきて、ちびちび、というよりぽたり、としか出せませんでした。

「まだ痛みの記憶が強くて出せないんですよ」
「ではもう一度行ってみてください」

とトイレの中へ。個室で立ったり座ったりしてトライするのですが、やはり猛烈に痛い。T看護婦さんは何度もやってきて「出ましたか」と聞くのですが、成果は上がっていませんでした。するとT看護婦さんは「じゃあ出ないんだったら、またバルーン(パイプ)入れましょうね」と一言。思わず、「じゃあこのまま篭城します」と引き篭もり宣言です。

しばらくするとT看護婦さんはドクターを連れて現れました。ドクターは「ともかく膀胱に尿が作られているのかどうか確認させてくれ」ということで、ひとまずロックを外して外に出ました。

超音波エコーを当てるので「もう3カ月だから性別がわかるかな~」と冗談を言ってもドクターもT看護婦さんも笑いません。

「尿はありますね」
「ドクター、どうしますか」
「もうちょっと様子を見ましょう」
「いつまで見るのですか」
「明日の朝までかなぁ」

2人の会話でリミットが明日の朝だと思い知りました。慌ててトイレに逆戻り。でも余計にビビって何も出る気配がありません。

これはちょっと寝て痛みの記憶を薄くするしかない。そう思ってこっそり病室に戻ります。T看護婦さんはしばらくすると巡回にやってきて僕が寝ているのを確認していました。

病院は夜9時には部屋の電気が消灯されるのですが、ドアは開いているし、廊下には電気がついているし、 いたるところで何かを知らせるエラー音がなるし、決してゆっくり寝られる環境ではありません。

それがよかったのもあって、深夜に目が覚めました。急いでトイレに行きます。しばらく待っているとあのタイミングがやってきました。

痛い!! 強烈に痛い!! でもさっきほど身体がビビってない。何とか190ccを排泄して安心して寝たのでした。

今朝、看護婦Tさんは「まだ量が足りない」とさらにプレッシャーをかけてきました。このミッションも何とかこなし、今日のバトルも乗り切ることができました。 ついでに、もう一方のほうも無事に開通し、確実に前進しています

森雅史、すごく戦ってます。 

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