僕がアジアを好きなわけ(ちょっと閲覧注意かも)
できる限りきれいな話を書こうと思っているのですが、アジアカップのいろんなことも踏まえて取りあえず記録しておきます。
渋谷での楽しいパーティーを終えて帰ってくる電車の中でのこと。
目の前に座っているのは外国人の女性でした。PCを広げてパタパタと何か打っています。窓カラスに映った言葉はアメリカ英語でした。~OURではなくて~ORでしたから。
次第に電車は混んできます。みんな詰めてきて、彼女が広げているPCの前にもどんどん人がやってきて、僕の傘やコートが彼女の視界に垂れ下がることになりました。というか、彼女は自分の鞄まで含めて非常に自分の前に場所を取っているので、混み始めるとどうしても彼女のワークスペースに誰かの荷物が被さります。
初老の彼女はそのたびに「ふんっ」と言いながら、コートを押したり、傘をどけたりします。別に傘が彼女のワークスペースを邪魔しているわけではなくても、視界に入ってくると「ふんっ」と言いながら相手の目を見もせずどけています。まるで周りの人は見えていない感じです。
とうとう彼女はPCをたたんで「なんだこりゃ」という感じで首を振りました。僕はつい「なんだお前は」と言ってしまいました。彼女はにらむようにじっとこっちを見ていました。その目は憎しみに満ちあふれていました。
僕が乗っている電車では、こういうイヤな思いが昔もありました。ずっと大声で騒いでいる外国人の女性に「静かに」と言うと「サル!」と返ってきたことがあります。
実は海外でもいくつも差別を受けてきました。1996年アトランタ五輪のとき、入ったレストランで通されたのは窓がない席。そこはみんな有色人種ばかりです。隣の黒人のおばあさんは運ばれてきたスープに対して「これはさめているのだけど」と男性のウエイターに文句を言いました。するとそのウエイターはいきなりスープに指を突っ込み「さめてないよ」と一言残して去ってしまいました。僕が怒って立ち上がると、おばあさんは「我慢しなさい」と僕をたしなめました。「これが現実だから」と。ヨーロッパでも同じような経験が何度もあります。それが僕が知っている世界です。
もちろん、そういう差別意識は人によるのでしょう。取材の場で一緒になるショーン・シーンさんなどは本当に正義感溢れていて、すばらしいイギリス人だと思います。だけど、そうでない人たちもいます。
日本に帰ってくるとなかなか気付かないけど、東洋人への差別ってあります。アジアでは少ないけど。少ないというのも僕の個人的経験でしかないのですが。
だから僕はアジアを大切にしなければならないと思います。そして早くアジアの国にワールドカップ優勝を勝ち取ってほしい。もちろん、その国が日本になるように自分が出来ることを頑張っていきたいと思います。それからまずアジアの中で差別がなくるように頑張ることも。