2011アジアカップの旅02 ドーハに到着してすぐにやらかす
あっという間のフライトを終えていよいよドーハ入りです。アジアカップに来たことを告げると、通常の14日間ではなく、30日のビザがもらえる——はずなのですが、滞在許可の日付がアラビア語で書いてあるためいつまでなのかわかりません。入国のカウンターでクレジットカードを要求され、渡したのですが領収書もなくて、はたしていくら引き落とされているかもわかりません。だ、大丈夫か?
ともかく入管審査を済ませて、さあ、というところで引っかかってしまいました。
ドーハでは入管審査の後、預けてあるトランクを受け取る前にもう一度手荷物検査が行われています。そこで何気なく手荷物をコンベアーに乗せたら、女性の係員からいきなり止められました。あれ? コンピュータを取り出していなかったから?
「はい、お酒を取り出して」
「ああ、これですね」
そこにはアブダビの免税店で買ったばかりのバーボンが。でも前回来たときは持って入れたのに。
「滞在は何日ですか?」
「アジアカップできたので26日です」
「じゃあ、キャンセルです」
「キャンセル?」
どういうこと? わけわかんない。
「はい、キャンセルです」
「それって入国できないってこと?」
ワールドカップに行くとき、隣になった強制送還中の男性が脳裏に浮かびました。今回は自分がその立場に? それにしても前回はよかったのになぜ?
「いいえ、お酒をここに置いていってください」
「ちょ、ちょっと待って。前回はよかったよ」
「14日までの滞在だったら大丈夫です。それ以上の滞在だとキャンセルです」
「ええ~、今買ったばかりなのに」
「はい、諦めてそこに置いてって」
こんなやりとりをしている間、他の人たちは次々に手荷物を勝手にスキャナに通して通り過ぎていきます。係員は一人しかいないからチェックなんてされまいまま、その人たちはみんなスルー。ボディチェックはないのでポケットが膨らんでいる人もいましたが、そそくさと荷物だけを通してさっさと歩いて逸しまいました。し、しまった。みんなを通り抜けさせるために注意を引く役になってしまった。
「じゃ、じゃあ、最後にせめて写真だけでも撮らせて」
「それはいいでしょう」
さようなら、僕の145ディラハム(約3300円)で買った珍しそうなバーボン(涙)。せめて袋から出してあげたかったよ。