天皇杯準決勝 清水vsG大阪 本田・市川・伊東・藤本各選手
リーグ最終戦と同じカードとなった天皇杯準決勝、清水vsG大阪は清水の完勝となりました。
リーグ戦では0-3と完敗した清水が、なぜ3-0で勝つことができたか。まずG大阪は遠藤選手が出場停止、加地選手は左足首捻挫、中澤選手は下腹部負傷と3人を欠いていました。
それを抜きにしても、今日の清水は前半に先制点を奪い、追加点まで決め、さらに後半とどめを刺すという完ぺきな試合運びを見せることができました。しかもG大阪の構成力を上回り中盤を支配しました。
本田選手は「中盤が激しくなってきたら、兵働選手に下がってきてもらってボランチを2人にしたので、うまく相手を押さえ込めました。兵働選手との距離が近かったので、入ったボールもうまく引っかけることができたと思います」と振り返ります。また、藤本選手が好調で、3得点に絡む活躍をみせたことも大勝の要因でした。
準々決勝の記者会見で、長谷川監督は藤本選手に「今日はダメだったな」と声を掛けたと言っていました。ですが、藤本選手によれば「調子に乗ったな」と怒られたということです。その発奮に加え、リーグ最終戦の屈辱を晴らしたいという気持ち、決勝に進出したいという気持ちの「どちらも思いました」という気合いが3アシストに表れていました。
この日の清水は準々決勝とは違い、左の太田選手をどんどん攻撃に参加させ,右の市川選手は抑え気味でした。「今日は太田選手が攻撃に行っていたので、自分はバランスを取ろうと思って意図的に上がりませんでした」。攻撃参加はしなかったものの、勝ったので市川選手もにこにこ顔です。
そこにこの日、途中出場した伊東選手が登場。
「ここで次負けるのが清水っぽいんだよね」と笑いながら不吉なことを言っています。そう言えば、僕が専門誌時代に清水を担当したとき、最初の天皇杯も決勝に進出しました。そんな思い出話を伊東選手と交します。長いなぁ、あれから12年が経とうとしています。そしてあの時の相手は横浜フリューゲルス。
「あの時って、相手に風がびゅーびゅー吹いてたよね。でもさ、今回打ちに風が吹いてない? 最後は本当に勝って終わりたいよ」
伊東選手がぽつりと一言。次の試合、果たして清水は逆境をバネに変えることができるでしょうか。
ところで、蛇足のこぼれ話です。藤本選手はこの日、髪を切ってきていました。
「自分でも切ってるんですけど、もう自分でやるのは限界だったんで」
ということで、ばっさり短くなっていました。
実は藤本選手がプロになって2年目、守備をしっかりやって体力を消耗し、自身の攻撃力を生かせなくなっていた時期がありました。そのとき、藤本選手が「不調なんですよ」と言ってきたので、「昔からいろんな選手が調子を変えるために髪を切るよ」と話したことがあります。藤本選手はそのとき、すぐに髪をばっさり切っていました。
この日も藤本選手は「髪を切った効果と言っていいのかな」といろんな記者に聞かれていました。藤本選手はきっぱり「髪は全然関係ありません」と一言。
2年目の時も髪を切ったのは偶然だったのですね(汗)。