心が温まった電車の中
サッカーとは関係のない話ですが。
今日の取材帰り、日曜の夜というのに電車はやや混んでいました。目の前のイスにはすらりとした若い女性が座っていて、その隣にはやや酔った様子の太めの中年の男性が立っています。
やや混雑していたこともあり、ちょっと車内の温度は高くなっていました。その熱にやられたのでしょうか、男性は目を閉じてつり革につかまっていました。
地下の区間を抜け地上に出たからやっと冷たい空気が入ってくる、とある駅についたときのこと。男性はよほど回ってしまったのでしょう、つり革につかまっていた手を放すと、どすん! と女性の上に座ってしまったのです。
「いた~い!」
まぁこれは当然でしょう。
「なにすんのよ、この酔っ払い!」
言われても仕方がないか。
「……」と無言で男性を思い切り突き飛ばす。
こういうのも見たことがあります。
どう反応するのかな、と上の3つを予想して見ていたら、その女性が最初に発した言葉が
「大丈夫ですか?」
しかもとても優しそうな声で。
「どこも痛くないですか?」
女性はさらに聞きます。男性はきっと答えることもできないくらい気持ちが悪くなっていたのでしょう。何とか自分の足で外に出てベンチに座りました。冷たい風に当たって、すぐに顔の赤さが取れて行くのが分かりました。それを見て女性はもう一度イスに座り直しました。
とっさのときにそこまでの気が使えるなんて。いい人なんだろうなぁ、とちょっとうれしくなって書き留めておきます。