半年契約という不思議
年の瀬も押し迫り、次第にクラブと選手の契約が締結されていっています。その際、時々目に付くのが『半年契約』という言葉。自分の記憶では、クラブは選手に対して1年間の契約を示さなければならないはずでした。
そこで調べてみると、もともとのJリーグの規約が非常にあいまいになっています。
『原則』1年契約を締結しなければならないのです。
この『原則』という扱いは、日本選手が海外に行ったり、海外から帰ってきたりする際にシーズンがずれているため、期間の整合性を合わせるために作られたはずでした。ところが、現在見られるのは海外に行くかどうか分からない選手に対しても『半年契約』が結ばれるという現状です。
契約更改に当たって、一部の選手を除いてクラブよりも弱い立場の選手が多い中、この『半年契約』を結ばされるというのは、クラブによる選手への圧力です。
では選手協会はなぜこの問題を取り上げないのか。これもまた選手の立場が弱いからのようです。契約を切られそうになっている選手にとってみれば、たとえ3カ月でも契約を延長できれば最後のチャンスとして生かすことができるかもしれません。その場合、1年契約以外を認めるな、という声が上がることは彼らにとって死活問題になります。選手協会もうかつに進めることができない問題なのです。
現時点でできるのは、半年の間に選手が活躍して契約延長ができるように祈ること、だけなのでしょうか。