ちょっとマジメな考察
26日に開催された、横浜FCvs東京Vは、最下位の横浜FCが東京V
を3-1で下すという展開になりました。
横浜FCの小野選手は22日の鳥栖戦で途中交代したときから好調
ぶりが目立っていましたが、この日1得点2アシストと甲斐性の立
役者になりました。
この試合にはもう一つ見所があって、後半、東京Vの大黒選手と
横浜FCのGK大久保選手が接触し、大久保選手は試合続行不可能に
見えました。
大黒選手が横浜FCファンの罵声に激高している間に、GKグラブは
三浦知良選手の手に。しかも三浦知良選手は手にはめています。
結局、大久保選手は何とか立ち上がり三浦知良選手のGK姿を見る
ことはできませんでした。
この試合、記者室では試合の間、記者同士でこんな話題があった
と記憶しています。
・横浜FCの無得点試合記録について(この試合で無得点なら記録に)
・東京Vの選手の動きの鈍さについて(足下へのパスが多すぎる)
・人種差別問題で揺れたレアンドロ選手の心理状態について
・東京Vの自陣ペナルティエリアの近くでの不用意なファウルについて
・横浜FCはFK用に三浦淳宏選手を入れてもいいのではないかということについて
・小野選手がバランスを崩しながら飛び込んでいくことについて
・高木監督の強気な指示について
・横浜FCは負傷交代ばかりで戦術での交代ができないことについて
・小野選手がこの試合のMVPであることについて
・三浦知良選手のGKについて
・J2の順位変動について
さて、27日のサンケイスポーツを見ると話題の中心は三浦知良選手のGK姿に
ついてでした。記事を書いたのは宇賀神記者。
「キングカズのGK姿、見たかった!」
「えっカズがGK?」
そんな情緒的な言葉が並びます。
大先輩を前に僭越ですが、流石だなぁという記事でした。
スポーツ新聞の読者は、野球と相撲など記事を中心に読んでいるそうです。
となると、サッカーでは超メジャーどころがタイトルに来ないと読んでもらえない。
だから小野選手の活躍をあえて脇に置いて三浦知良選手が中心になってました。
しかも情緒的な台詞がみごとに読者の心情と一致したと思います。
スポーツ新聞の記者の方が時々使う方法ですが、
記者と取材対象者と読者との関係において、
あえて記者と読者を同一の目線に置いたり、
取材対象者の内なる(であろうと思われる)声を記者が代弁したり、
そうやって共感を呼ぶ手法がぴたりとはまってました。
雑誌や専門誌にはないアプローチの方法ですが、
これだけ割り切ってぴたりと決められると、
それぞれの媒体の役割が明確に浮かび上がってくると思います。
もちろんどっちがいいか、ということではなくて。
ちなみにこの宇賀神記者はとても心が広い人で、
よく愛車の白い外車に他の記者からいたずらされてますが、
「こら!!」とどこまで本気か分からないように怒りながら
場の雰囲気も壊さずやり過ぎを押さえることができる人です。
そこまで気配りができる人だから、
読者と心情をきちんと一致させることができるのではないかと、
その姿勢を学ぼうというために考察してみました。
ほら、たまには女性や食べ物の話題だけじゃないでしょ(笑)。