なぜか怒り出した
日本はミスが2回続き失点。0-1で敗れました。
ホテルに帰ってきて原稿を書き終わったのが午前2時。アルコールを探して1階に降りると奥のバーにはまだ人がたくさんいます。
ビールを注文して飲んでいると隣の男性が話しかけてきました。
「今日は負けたね」
「あぁ」
それ以上は答えたくなかったので飲んでいると、彼はしばらくして続けました。
「あそこでビリヤードをしているヤツがいるだろう? アイツは今日活躍した○○選手の弟だよ」
「ふぅん」
するとその話が聞こえたのか、かの弟君がやってきました。ニコニコして「こんばんは」と挨拶してきます。仕方がない。話をします。
「もうお兄さんには会ったのかい?」
「いいや、まだだけど、会ったらスゴク喜んでいると思うよ」
ケッ。
と思ったら、最初に話しかけてくれた男性がいきなり怒り出しました。すごい剣幕で何か言っています。弟君はすごすごと立ち去ってしまいました。
ちょっと落ち着いてきた最初の男性はこっちを向いてまた話し始めました。
「いいか、オレはサウジアラビア人なんだ。日本も負けたけど、サウジアラビアも今日ウズベキスタンに0-3で負けた。酷い試合だったよ。だから憂さを晴らすためにここまで来たんだ」
サウジアラビアとバーレーンは橋でつながっているし、サウジアラビアはとても戒律が厳しい国なので、ここまで来ていたのでしょう。サウジアラビアは負けたけど、日本も負けた。ここまではまぁいい。でも、その日本に勝った相手が、寄りによって隣の小国、バーレーンだったとは……。
そう男性が考えたのかどうかわかりませんが、なぜか彼はとても日本を擁護してくれました。ありがとう、サウジアラビアの人。